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法衣
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ほふえ
ふりがな文庫
“
法衣
(
ほふえ
)” の例文
「あの方は年に馬に一
駄
(
だ
)
の蕃椒を食べるのださうだ」と人の云つたことを、刀自は猶記憶してゐる。壽阿彌の著てゐたのは木綿の
法衣
(
ほふえ
)
であつたと刀自は云ふ。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
容姿端麗
(
ようしたんれい
)
、
遠
(
とほ
)
く
藤原氏時代
(
ふぢはらしじだい
)
の
木彫
(
きぼり
)
だと
聞
(
き
)
くが、
細
(
ほそ
)
い
指
(
ゆび
)
の
尖
(
さき
)
まで
聊
(
いさゝか
)
も
缺
(
か
)
け
損
(
そん
)
じた
處
(
ところ
)
がない、すらりとした
立像
(
りつざう
)
の、
其
(
そ
)
の
法衣
(
ほふえ
)
の
色
(
いろ
)
が、
乃
(
いま
)
し
瞳
(
ひとみ
)
に
映
(
うつ
)
つた
其
(
そ
)
の
萌黄
(
もえぎ
)
なのである。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ああ是れぞ横笛が最後の
住家
(
すみか
)
よと思へば、
流石
(
さすが
)
の瀧口入道も
法衣
(
ほふえ
)
の袖を
絞
(
しぼ
)
りあへず、世にありし時は花の如き
艷
(
あで
)
やかなる
乙女
(
をとめ
)
なりしが、一旦無常の嵐に
誘
(
さそ
)
はれては、いづれ
遁
(
のが
)
れぬ古墳の一墓の
主
(
あるじ
)
かや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
優女
(
やさめ
)
も
法衣
(
ほふえ
)
のすがた花に
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
間
(
ま
)
もなく
這入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
たのは、一
人
(
にん
)
の
背
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
僧
(
そう
)
であつた。
垢
(
あか
)
つき
弊
(
やぶ
)
れた
法衣
(
ほふえ
)
を
着
(
き
)
て、
長
(
なが
)
く
伸
(
の
)
びた
髮
(
かみ
)
を、
眉
(
まゆ
)
の
上
(
うへ
)
で
切
(
き
)
つてゐる。
目
(
め
)
に
被
(
かぶ
)
さつてうるさくなるまで
打
(
う
)
ち
遣
(
や
)
つて
置
(
お
)
いたものと
見
(
み
)
える。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
ほんのりとして、
床
(
ゆか
)
しく
薄
(
うす
)
いが、
夜
(
よる
)
などは
灯
(
ともしび
)
に
御目
(
おんまな
)
ざしも
黒
(
くろ
)
く
清
(
すゞ
)
しく、
法衣
(
ほふえ
)
の
色
(
いろ
)
がさま/″\と
在
(
いま
)
すが
如
(
ごと
)
く
幽
(
かすか
)
に
濃
(
こ
)
い。
立袈裟
(
たてげさ
)
は
黒
(
くろ
)
の
地
(
ぢ
)
に、
毛
(
け
)
よりも
細
(
ほそ
)
く
斜
(
なゝめ
)
に
置
(
お
)
いた、
切込
(
きりこ
)
みの
黄金
(
きん
)
が
晃々
(
きら/\
)
と
輝
(
かゞや
)
く。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“法衣”の意味
《名詞》
法衣(ほうえ / ほうい)
僧尼が着る衣服。
(出典:Wiktionary)
法
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
衣
常用漢字
小4
部首:⾐
6画
“法衣”で始まる語句
法衣姿
法衣屋
法衣下