榮華えいぐわ)” の例文
新字:栄華
あるときはひそかにぎたはる回顧くわいこして、あれがおれ榮華えいぐわ頂點ちやうてんだつたんだと、はじめてめたとほかすみながめることもあつた。いよ/\くるしくなつたとき
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あゝ、したじめよ、おびよ、えてまたひかかげむなり。きみはだたしかゆき。ソロモンと榮華えいぐわきそへりとか、白百合しらゆりはなづべきかないなはぢらへるは夫人ふじんなり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
丁度お前が浮世うきよ榮華えいぐわあこがれてゐるやうに、俺は智識慾にかつしてゐる………だから社交もいやなら、芝居見物も嫌さ。家をにぎやかにしろといふのは、なにも人を寄せてキヤツ/\とツてゐろといふのぢやない。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
亡恩に榮華えいぐわは盡きむ、里鴉さとがらすはたをあらさむ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
今日迄看病かんびやうおろそかならねばいかで天道あはれまさらん今こそ斯あれ後々は必ず榮華えいぐわの身とならんと我が叔母女房のうはさとは夢にも知らずいたりける此ぞ傳吉が叔母お早が事にして此はお早親子もふかかくしける故傳吉は知らざりしさて何かなとかんがへしが先に拾ひし鼈甲べつかふくしこそ好けれと取り出し是は我等が山間やまあひにて※らず拾ひし品なるゆゑ之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)