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植木
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うゑき
敏おさなきより
植木のあつかひを
好きて、
小器用に
鋏も
使へば、
竹箒にぎつて
庭男ぐらゐ
何でもなきこと、
但し
身の
素性を
知られじと
計り、
誠に
只今の
山出しにて
待居たり或日將軍家には
御庭へ成せられ
何氣なく
植木など
御覽遊ばし
御機嫌の
麗く見ゆれば近江守は
御小姓衆へ
目配せし其座を
退ぞけ獨り
御側へ
進寄聲を
潜て大坂より
早打の次第を
「
御爺さんは
矢つ
張り
植木を
弄つてゐるかい」
この
大將の
若樣難なく
敏が
擒になりけり、
令孃との
中の
睦ましきを
見るより、
奇貨おくべしと
竹馬の
製造を
手はじめに、
植木の
講譯、いくさ
物語、
田舍の
爺婆は
如何にをかしき
事を
言ひて
最早それはいひツこなしとゝめるも
云ふも一
ト筋道横町の
方に
植木は
多しこちへと
招けば
走りよるぬり
下駄の
音カラコロリ
琴ひく
盲女は
今の
世の
朝顔か
露のひぬまのあはれ/\
粟の
水飴めしませとゆるく
甘くいふ
隣にあつ
焼の
塩せんべいかたきを