暖氣だんき)” の例文
新字:暖気
何しろ畫室は、約束やくそく通りに出來てあるから、四はう密閉みつぺいしたやうになつてゐる。暖爐ストーブころならば、其の熱で嚇々くわつ/\とする、春になれば春の暖氣だんきすやうにむつとする。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
かれなが時間じかん氷雪ひようせつあひだわたつたのち、一ぱいつめたい釣瓶つるべみづそゝぐことによつてこゝよよい暖氣だんきあかつたあしかんずるやうに、僅少きんせうあるものかれ顏面がんめんひがんだすぢのべるに十ぶんであるのに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それかれうちかへつたならばしるはどうでも、飯臺はんだいなかはまだ十ぶん暖氣だんきたもつてるだらうといふ希望きばういだいて、かないことにまではおもいたらなかつた。重箱ぢゆうばこはもうえてしまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれやつれた身體からだからひど自由じいううしなつたやうにかんぜられた。かるしびれたやうになつてた。かれえた身體からだ暖氣だんきほつして、茶釜ちやがまけたかまどまへだる身體からだゑて蹲裾うづくまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)