日様ひさま)” の例文
旧字:日樣
それは、お日様ひさまあたたかっているのをたり、雲雀ひばりうたいたりして、もうあたりがすっかりきれいなはるになっているのをりました。
日様ひさまはもえる宝石ほうせきのようにひがしそらにかかり、あらんかぎりのかがやきをかなしむ母親ははおやたびにでたどもらとにげておやりなさいました。
いちょうの実 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
日様ひさまが見られるわけである。だが、そのうちに、空いっぱいに天井てんじょうを張ってしまっても、にんじんの頭は、かえってそのために締めつけられ、ひたいのへんへ喰い込むように思われる。彼は眼をつぶる。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
あくもいいお天気てんきで、お日様ひさまあお牛蒡ごぼうにきらきらしてきました。そこで母鳥ははどり子供達こどもたちをぞろぞろ水際みずぎわれてて、ポシャンとみました。
「どうかごめんをねがいます。私は長くお日様ひさまを見ますとんでしまいますので」としきりにおわびをします。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ある夕方ゆうがたことでした。ちょうどお日様ひさまいま、きらきらするくもあいだかくれたのち水草みずくさなかから、それはそれはきれいなとりのたくさんのむれってました。
野原を行ったり来たりひとりごとをったり、わらったりさまざまのたのしいことを考えているうちに、もうお日様ひさまくだけたかがみのようにかばの木のこうにちましたので
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
日様ひさまがあまり遠くなりました。もずがび立ちます。私はあなたにおわかれしなければなりません
めくらぶどうと虹 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その木の下で、一人ひとり子供こどもかげが、きりこうのお日様ひさまをじっとながめて立っていました。