トップ
>
打
>
ぶっ
ふりがな文庫
“
打
(
ぶっ
)” の例文
藤左衛門は幾度となく、駕籠の
後
(
うしろ
)
や天井へ頭を
打
(
ぶっ
)
つけた。白鉢巻はしているものの
元結
(
もとゆい
)
が
刎
(
は
)
ねて、髪はざんばらに解けかけている。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
甲「なに
肥料
(
こやし
)
をしないものはないが、
直接
(
じか
)
に肥料を
喰物
(
くいもの
)
に
打
(
ぶっ
)
かけて喰う奴があるか、
怪
(
け
)
しからん
理由
(
わけ
)
の分らん奴じゃアないか」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「これぎり
屹度
(
きっと
)
家へ上げちゃならないぞ。今度やって来やがったら水でも
打
(
ぶっ
)
かけてやれ。」
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
彼女のしどろもどろな声が、私の手でしっかと抑えつけている
布
(
きれ
)
へ
打
(
ぶっ
)
つかって来ます。
麻酔剤
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
磯は黙って煙草をふかしていたが、
煙管
(
きせる
)
をポンと強く
打
(
はた
)
いて、
膳
(
ぜん
)
を引寄せ
手盛
(
てもり
)
で飯を食い初めた。ただ
白湯
(
さゆ
)
を
打
(
ぶっ
)
かけてザクザク流し込むのだが、それが
如何
(
いか
)
にも
美味
(
うま
)
そうであった。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
大抵一人の人間に
打
(
ぶっ
)
つかろうというには、色々な準備が、支度が
入
(
い
)
るものなのだ。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
馴
(
な
)
れて畳の
破
(
やぶれ
)
にも
突
(
つっ
)
かからず、台所は横づけで、長火鉢の前から手を
伸
(
のば
)
すとそのまま取れる
柄杓
(
ひしゃく
)
だから、並々と一杯、
突然
(
いきなり
)
天窓
(
あたま
)
から
打
(
ぶっ
)
かぶせる気、お勝がそんな家業でも、さすがに
婦人
(
おんな
)
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
外は往来の
劇
(
はげ
)
しい本町の真中で、内は閑々たる別天地、半鐘がジャンと
打
(
ぶっ
)
つからない限りは他人の来る
気遣
(
きづか
)
いはないところで、これらの親爺連の心配になることは、夕飯を
蕎麦
(
そば
)
にしようか
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それを
打
(
ぶっ
)
つけて
吃驚
(
びっくり
)
させて見たり、そんなことばかりしていた。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
賽
(
さい
)
をつかんで、目つぶしに、喧嘩相手の顔へ
打
(
ぶっ
)
つける。何をっと、相手も負けてはいない。手当り次第である。
煙草入
(
たばこいれ
)
、つぼ、茶碗、と抛りつけた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と云いながら出に掛ったが、
玻璃
(
がらす
)
でトーンと頭を
打
(
ぶっ
)
つけて、
慌
(
あわ
)
てるから表へ出られやしません。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
己
(
おれ
)
が十二の小僧の時よ。朝露の林を分けて、
塒
(
ねぐら
)
を奥山へ出たと思いねえ。
蛙
(
けえろ
)
の
面
(
つら
)
へ
打
(
ぶっ
)
かけるように、仕かけの噴水が、
白粉
(
おしろい
)
の禿げた霜げた姉さんの顔を半分に仕切って、
洒亜
(
しゃあ
)
と出ていら。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
昼間だったら、不気味な銃尾や
凶々
(
まがまが
)
しい銃身など随分ぞっとする代物にちがいないのだが、今この暗闇と、孤独と、悩みの中では、まさしく探し求めていたものに
打
(
ぶっ
)
つかったような気がした。
孤独
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「杖か棒か、なにしろすごい物を
打
(
ぶっ
)
つけやがった。あの
唸
(
うな
)
って飛ぶ棒の先でこーんと一つ頭でもやられたらそれ
限
(
き
)
りだ。——なにしろ油断はできねえぞ」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
実は小兼に
一寸
(
ちょっと
)
其の橋渡しを頼もうと思っているうち、他に客でも出来たか逃げたので、甚だ失敬だが僕が
打
(
ぶっ
)
つけにと立戻って来る途中で、前の始末で助けて上げたは、是も全く御縁だから
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
“打”を含む語句
打擲
打付
打衝
打捨
打倒
打突
打附
打撲
打合
打棄
打毀
打壊
打破
打切
打遣
打着
打砕
打伏
打叩
打込
...