戀路こひぢ)” の例文
新字:恋路
正太しようたふでやのみせこしをかけて、のつれ/″\にしの戀路こひぢ小聲こゞゑにうたへば、あれ由斷ゆだんがならぬと内儀かみさまにわらはれて、なにがなしにみゝあかく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
戀人こひゞとそのうるはしい光明ひかりで、戀路こひぢやみをもらすといふ。またこひめくらならば、よるこそこひには一だん似合にあはず
そも人、何を望み何を目的めあてに渡りぐるしき戀路こひぢを辿るぞ。我も自ら知らず、只〻朧げながら夢とうつゝの境を歩む身に、ましてや何れを戀の始終と思ひ分たんや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
吹く者と知なば戀路こひぢさめ息子せがれ吾儕わし能樣よきやうに言ゆゑ和郎そなたは音羽町へ早くゆきねとせり立られ忠兵衞今は理の當然たうぜんせまられたれば一句も出ずちから投首なげくび腕組うでぐみして進まぬ足を進めつゝ音羽を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
野路のぢ戀路こひぢにあらねども
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
胸に燃ゆる情のほのほは、他を燒かざれば其身をかん、まゝならぬ戀路こひぢに世をかこちて、秋ならぬ風に散りゆく露の命葉いのちば、或は墨染すみぞめころも有漏うろの身をつゝむ、さては淵川ふちかはに身を棄つる
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ば言ひ出してひよなさわぎに成たりと酒も何處どこへかさめゆきいろ戀路こひぢ消果きえはててこはそも如何にとあきれ果十方に暮て居たりしが忠兵衞はにげもされねばこれまち給へお光殿御番所へ駈込かけこんでも外事ほかこと成ぬ大事の一でう人の命に關る事先々とく勘考かんがへてと言紛いひまぎらすを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
思へば我しらで戀路こひぢの闇に迷ひし瀧口こそ哀れなれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)