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惡評
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あくひやう
彼は
憎惡と
嫉妬とを
村落の
誰からも
買はなかつた。
憎惡も
嫉妬もない
其處に
故意と
惡評を
生み
出す
程百姓は
邪心を
有つて
居なかつた。
いつも
氣に
入りの
玄竹が
來ると、
但馬守は
大抵差し
向ひで
話をして
障子には、
大きな、『××の
金槌』と
下世話に
惡評される
武士髷と、
固い
頭とが
映るだけで
したの又
渠は
無學文盲の何も知らぬ山師醫者の
元締なりなど
湯屋の二
階髮結床などにて長庵の
惡評を
聞も
夏蠅ばかりなれば果は
命の入ぬのか又は
死たく思ふ人は長庵の
藥を
入らぬ
世間に
惡評もうけず、
我が
代りの
年禮に
少しの
勞をも
助くる
筈を、六十に
近き
親に
泣きを
見するは
罰あたりで
無きか、
子供の
時には
本の
少しものぞいた
奴、
何故これが
分りをらぬ、さあ
行け