トップ
>
悪業
>
あくごう
ふりがな文庫
“
悪業
(
あくごう
)” の例文
旧字:
惡業
つくづくあなたのご
生涯
(
しょうがい
)
を思えばただごとではない気がいたします。目に見えぬ
悪業
(
あくごう
)
があなたの
氏
(
うじ
)
につきまとっている気がいたします。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
あるじの僧はこたえて、「御僧はまことに生き仏です。私のおちいったこんなあさましい
悪業
(
あくごう
)
を、すぐにでも忘れられる道理をお教え下さい」
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
もし白昼にまなこを正しく開くならば、その日天子の黄金の
征矢
(
そや
)
に
伐
(
う
)
たれるじゃ。それほどまでに我等は
悪業
(
あくごう
)
の身じゃ。又人及諸の強鳥を恐る。な。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
(よしっ、待っていろ)と、
悪業
(
あくごう
)
へ勇み立って行ったあの大盗らしい面影もないのである。弁円はあまりのことに
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
社会の公議輿論、すなわち一世の気風は、よく仏門慈善の智識をして、殺人戦闘の
悪業
(
あくごう
)
をなさしめたるものなり。
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
近江屋の一家に隠れた
悪業
(
あくごう
)
があって、
大国魂
(
おおくにたま
)
さまが罰をあたえるためにお
神矢
(
かみや
)
を放ったというわけでもありますまい。いったいどんなふうにして殺ったものでしょう
顎十郎捕物帳:23 猫眼の男
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
其男
(
それ
)
の頭へ載せてやってそうして
三帰五戒
(
さんきごかい
)
を授けて
悪業
(
あくごう
)
の消滅するように願を掛けてやりました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
いかなる前生の
悪業
(
あくごう
)
ありてかかる
憂目
(
うきめ
)
に遭うかと生きる望も消えて、菊之助を
葬
(
ほうむ
)
った後には共にわずらい寝たきりになって、猿の吉兵衛は夜も眠らずまめまめしく二人を看護し
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
仏教の初歩の因果応報説が
極
(
ご
)
くわづかに宗右衛門の耳に
這入
(
はい
)
つて来た。過去の
悪業
(
あくごう
)
が、かりに娘の異状となつて現はれたと観念することは出来ぬかと老師は宗右衛門に問ふてみた。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
一枝は、「オッパイ」という言葉をやっとおぼえた。この愛すべき
唇
(
くちびる
)
が恋愛の嘆きのために
濡
(
ぬ
)
れるころまで私は生きているであろうか。過去の
悪業
(
あくごう
)
への罪の意識は夢にまでも私に
襲
(
おそ
)
いかかる。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
今更それを申しましても返らぬことでござりますが、此のようにめくらになりましたのも、乞食の境涯に落ちましたのも、みんな自分の
悪業
(
あくごう
)
からでござりますのに、人さまを恨んではなりませぬ。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
今までの
悪業
(
あくごう
)
の
罪障消滅
(
つみほろぼ
)
しの為に頭を剃りこぼって、
何
(
ど
)
の様な辛苦修行でもし、カン/\坊主に成って今迄の罪を
滅
(
ほろぼ
)
さなくっちゃア
往
(
い
)
く処へも往かれねえから、己の事は諦めて呉れとはいいましたが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「見よ、
悪業
(
あくごう
)
の
天罰
(
てんばつ
)
を」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
なんと云う
悪業
(
あくごう
)
だ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
悪業
(
あくごう
)
衆生
(
しゅじょう
)
同
(
どう
)
利益
(
りやく
)
現代語訳 平家物語:06 第六巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
今このご
文
(
もん
)
は、この大菩薩が、
悪業
(
あくごう
)
のわれらをあわれみて、
救護
(
くご
)
の道をば説かしゃれた。その始めの方じゃ。しばらく休んで次の講座で述べるといたす。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
雪の降る夜、
比叡山
(
ひえいざん
)
から、三里半ある六角堂まで百夜も夜参りをして帰り帰りした事もありました。しかし一つの善根を積めば、十の
悪業
(
あくごう
)
がふえて来ました。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
邪念の
悪業
(
あくごう
)
にひきずられて、あるときはそれが生前の獣の姿になって恨みをはらしたり、またあるときは鬼となったり
蟒
(
みずち
)
となったりして
祟
(
たた
)
りをするという例は
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「生きるも辛し、死にもならず、かくまでの
苦患
(
くげん
)
に
虐
(
さいな
)
まるるとは、いかなる
悪業
(
あくごう
)
のむくいでおざろうか」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……そんな羽目になるというのも、これも身の因果。ふだんの
悪業
(
あくごう
)
のむくいでね、よくしたもんです
顎十郎捕物帳:06 三人目
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
以前は、もっと、ひどかった。あまりの気取りに、窒息、
眩暈
(
めまい
)
をさえ生じたという。むしろ気の毒な
悪業
(
あくごう
)
である。もともと笠井さんは、たいへんおどおどした、気の弱い男なのである。
八十八夜
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
生きてきたというだけでも充分に尊敬に
値
(
あたい
)
するが、また、
悪業
(
あくごう
)
をやってきた者では、そこまで無事でいるわけがない。だから高齢者はすべて善民であり、人中の人である
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汝等
審
(
つまびらか
)
に諸の
悪業
(
あくごう
)
を作る。
或
(
あるい
)
は
夜陰
(
やいん
)
を以て
小禽
(
しょうきん
)
の家に至る。時に小禽
既
(
すで
)
に終日日光に浴し、
歌唄
(
かばい
)
跳躍
(
ちょうやく
)
して疲労をなし、
唯唯
(
ただただ
)
甘美
(
かんび
)
の
睡眠
(
すいみん
)
中にあり、汝等飛躍してこれを
握
(
つか
)
む。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
百の
悪業
(
あくごう
)
に催されて自分の罪を感じている悪人よりも、小善根を積んでおのれの悪を認めぬ偽善者のほうが仏の愛にはもれているのだ。仏様は悪いと知って私たちを助けてくださるのだ。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「信長たりと、
足利義昭
(
あしかがよしあき
)
を追っている。また
叡山
(
えいざん
)
の焼打、幾多の
悪業
(
あくごう
)
は人も知るところだ。見よ彼の宿老、林佐渡、佐久間右衛門
父子
(
おやこ
)
、荒木村重。ひとの末路とのみは思えぬ」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今もって、
悪業
(
あくごう
)
を
行
(
ぎょう
)
とし、京都を中心に
近畿
(
きんき
)
いったいをあらし廻る浄土の賊天城四郎の
贄
(
にえ
)
にさせてなろうかと、相手の正体を見、被害者の
傷々
(
いたいた
)
しい姿を見ると、彼の怒りはいやが上にも燃えて
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いかなる
聖
(
ひじり
)
、いかなる高僧といえ、五慾
煩悩
(
ぼんのう
)
もなく、
悪業
(
あくごう
)
のわずらいもなく、生れながらの心のまま白髪になることはできません。大地はふかく氷を閉ざしても、春ともなれば、草は
萌
(
も
)
え、花は狂う。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
業
常用漢字
小3
部首:⽊
13画
“悪業”で始まる語句
悪業帳
悪業邪慳