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息災
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そくさい
ふりがな文庫
“
息災
(
そくさい
)” の例文
『
矢張
(
やは
)
りそうであったか。——
私
(
わたくし
)
はそなたがまだ
息災
(
そくさい
)
で
現世
(
げんせ
)
に
暮
(
くら
)
して
居
(
い
)
るものとばかり
思
(
おも
)
っていました。一たいいつ
歿
(
なくな
)
ったのじゃ……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
老いこそすれ、母はなお
息災
(
そくさい
)
であった。けれど自分が側を去ったらいかにお淋しかろうぞ、と彼はすぐそれを思う。
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その子が、不出来であろうが、まずい顔をしていようが、まず
息災
(
そくさい
)
にすくすくと伸びていくさまを見るほど、心安さはないのである。子供を育てるのは
畢生
(
ひっせい
)
の大事業だ。
小伜の釣り
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
見廻しけるに首は
落
(
おち
)
ず何事も無
健全
(
まめ
)
息災
(
そくさい
)
なり依て我が家へ立歸りしぞと
物語
(
ものがた
)
りしかば娘は
嬉
(
うれし
)
く是全く
金毘羅樣
(
こんぴらさま
)
の御
利益
(
りやく
)
ならんと早々
嗽
(
うが
)
ひ
手水
(
てうず
)
にて身を
清
(
きよ
)
めて金毘羅の掛物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
貴殿最もお大事なものを、いわゆる玉として引き上げましたので、悪くお思いくださらぬよう。ご心配ござらぬ、ご心配ござらぬ。お京様にはマメ
息災
(
そくさい
)
、機嫌よく笑って遊んでおられる。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
「そんなら
息災
(
そくさい
)
ね御座いの、気イ悪せんとな。(病気になるなといふ意)」
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
いかに
息災
(
そくさい
)
でも
既
(
すで
)
に五十九、あけて六十にならうといふのが、
内
(
うち
)
でこそはくる/\
𢌞
(
まは
)
れ、
近頃
(
ちかごろ
)
は
遠路
(
とほみち
)
の
要
(
えう
)
もなく、
父親
(
ちゝおや
)
が
本
(
ほん
)
を
見
(
み
)
る、
炬燵
(
こたつ
)
の
端
(
はし
)
を
拜借
(
はいしやく
)
し、
母親
(
はゝおや
)
が
看經
(
かんきん
)
するうしろから、
如來樣
(
によらいさま
)
を
拜
(
をが
)
む
身分
(
みぶん
)
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「かくのごとく、一家皆、
息災
(
そくさい
)
に暮らしおりますが、平常はつい、洛中のお
館
(
やかた
)
へも、心ならず、ご不沙汰のみを」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『
毎日
(
まいにち
)
安泰
(
あんたい
)
に
暮
(
くら
)
させていただきまして
誠
(
まこと
)
に
難有
(
ありがと
)
うございます。
何卒
(
なにとぞ
)
明日
(
あす
)
も
無事
(
ぶじ
)
息災
(
そくさい
)
に
過
(
すご
)
せますよう……。』
昔
(
むかし
)
はこんなあっさりしたのが
大
(
たい
)
そう
多
(
おお
)
かったものでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
大変暑なったが、そちらも無事か私も
息災
(
そくさい
)
に居る。
恭三の父
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
(わかれて七年になる、半兵衛が妹のおゆうは
息災
(
そくさい
)
かどうか、途中、立ちよって、消息を問うてみてくれい)
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
親類遠縁から故郷の旧知の端にいたるまで、自分を頼みとする者なら心にとめて、その
息災
(
そくさい
)
を計っていた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうかい。それはまあ、みな
息災
(
そくさい
)
で、何よりでした。それにいい便りを聞かして貰ってわしもうれしい」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや何。お
許
(
もと
)
の消息は、風の便りにもよう聞えて来るほどに、便りはのうても、
息災
(
そくさい
)
は知れてある」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御内儀の顔を見て、何よりも先に聞かせたいのは、
播磨
(
はりま
)
にある娘(利家の
女
(
むすめ
)
を秀吉の養女とせる者)も、姫路の女どもと打ち交じり、至極、
息災
(
そくさい
)
に成人したる由じゃ。御安堵あるがよいぞ。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
故郷
(
ふるさと
)
に独りいる姉上の
息災
(
そくさい
)
をまもらせたまえ)
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「隠岐の
帝
(
みかど
)
さえ、ご
息災
(
そくさい
)
なら、いつかはきっと」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
息災
(
そくさい
)
かな、
散所
(
さんじょ
)
ノ
太夫
(
たゆう
)
も」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「筑前の老母は
息災
(
そくさい
)
か」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“息災”の意味
《名詞・形容動詞》
病気をしないで、健康であること。何事もなく達者であること。
仏の力で災いを除くこと。
(出典:Wiktionary)
息
常用漢字
小3
部首:⼼
10画
災
常用漢字
小5
部首:⽕
7画
“息災”で始まる語句
息災延命