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心殘
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こゝろのこ
神聖い
語で
二人の
手を
結び
合はして
下されば、
戀を
亡す
死の
爲に
此身が
如何樣にならうとまゝ。
妻と
呼ぶことさへ
叶へば、
心殘りはない。
わしは
七十の
阪を
越して、もういつ
命が
終るかわからぬ。
今のうちによい
婿をとつて、
心殘りのないようにして
置きたい。
此下駄で
田町まで
行く
事かと
今さら
難義は
思へども
詮方なくて
立上る
信如、
小包みを
横に二タ
足ばかり
此門をはなれるにも、
友仙の
紅葉目に
殘りて、
捨てゝ
過ぐるにしのび
難く
心殘りして
見返れば
見て大に悦びまづ是にて
災の
根は
斷たれば更に
心殘りなし大望
成就は
疑ひなし今は此地に用はなし
急ぎ他國へ
立越ん幸ひ
濃州谷汲の長
洞村法華山常樂院長洞寺の天忠日信と云は
親藤井紋太夫の弟にて我爲には實の
伯父なるが
斯る事の相談には
屈強の
軍略人にて過つる
頃大
恩を