御魂みたま)” の例文
神職 や、このよこしまを、このけがれを、おとりいれにあい成りまするか。その御霊ごりょう御魂みたま、御神体は、いかなる、いずれより、天降あまくだらせます。……
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かれ、水底に沈み居たまふ時の名をそこドク御魂みたまといひつ。その海水のツブ立つ時の名をツブ立つ御魂といひつ、そのあわさく時の名を泡サク御魂といひき
四十五年の御代みよ長く、事しげき代の御安息みやす無く、六十路むそぢあまり一年ひととせ御顔みかおに寄する年の波、御魂みたましたふ西の京、吾事終へつとうそむきて、君きましぬ東京に。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
かれその底に沈み居たまふ時の名を、そこどく御魂みたまといひ、その海水のつぶたつ時の名を、つぶ立つ御魂みたまといひ、そのあわ咲く時の名を、あわ咲く御魂みたまといふ。
そなたを案じわずらいたもう、そなたを最も愛される父上陛下の御魂みたまは、天に歓喜してお喜びになるであろう。それがそなたの御父上に捧げ得る、最大の孝養である。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
海とかわとの神々にことごとくお供えをたてまつり、それから私たち三人の神の御魂みたまを船のうえにまつったうえ、まきのはいひさごに入れ、またはしぼんとをたくさんこしらえてそれらのものを
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
戀とは言はず、情とも謂はず、ふや柳因りういんわかるゝや絮果ぢよくわ、いづれ迷は同じ流轉るてん世事せじ、今は言ふべきことありとも覺えず。只〻此上は夜毎よごと松風まつかぜ御魂みたますまされて、未來みらい解脱げだつこそ肝要かんえうなれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
先祖の御魂みたままつり場がござりませぬでな
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
藤原南家郎女の御魂みたま。こう こう。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
土のぞ、くに御魂みたまぞ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
その海底に沈んでおられる時の名を底につく御魂みたまと申し、海水につぶつぶと泡が立つ時の名を粒立つぶたつ御魂と申し、水面に出て泡が開く時の名を泡咲あわさく御魂と申します。
藤原南家なんけ郎女いらつめ御魂みたま
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
その櫛名田比賣くしなだひめ隱處くみどに起して、生みませる神の名は、八島士奴美やしまじぬみの神。また大山津見の神のむすめ名は神大市かむおほち比賣にひて生みませる子、大年おほとしの神、次に宇迦うか御魂みたま二柱。
海河の神たちに悉く幣帛へいはくを奉り、わたしの御魂みたま御船みふねの上にお祭り申し上げ、木の灰をひさごに入れ、またはしと皿とを澤山に作つて、悉く大海にらしうかべておわたりなさるがよい