当然あたりめえ)” の例文
旧字:當然
うちの事をうちの奉公人がするのは当然あたりめえでがんすから、どうか二十両という金を請取うけとる訳はがんしねえから貰われやしねえ、駄目でござりやす
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今日はもうおかずが出来たから要らないよサ。合点がってんなるめえじゃねえか。わっしが商う魚だって、品に因っちゃ好嫌すききれえは当然あたりめえだ。ものを見てよ、その上で欲しくなきゃ止すが可い。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これでわかった、これで解った! 幾度勝負を争っても、一度も勝ったためしがねえ、おかしいおかしいと思ったが、こんな仕掛けのある以上、負けつづけるのは当然あたりめえだ! ……飛んでもねえ奴等だ
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
幾らカクラてえお強請ねだり申すのでげすから貰う方で限りはねえ、幾ら多くってもいが、お賤さんの方は沢山たんと遣りたくねえというのが当然あたりめえの話だが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なんでえ篦棒べらぼうめ、己が柔和おとなしくして居るのだから文句なしに出すが当然あたりめえだ、手前等てめえらが此の村に居ると村がけがれらア、手前等を此処こけえ置くもんか篦棒め
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その証拠にゃア十年めえわっちに何と云いなすった、親方忘れやしないだろう、箱というものは木を寄せてこせえるものだから、あらくすりア毀れるのが当然あたりめえ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
飲んだ事はあるめえ、料理茶屋で飲ませるのは当然あたりめえの話だが、茶の間で飲ませろのは別段の馳走じゃ、へえ有難い事でござえますと、斯う礼を云ったような理由わけ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
林「いえ、旦那様がえ懸けて下せえますから、お互に思えば思わろゝで、そりゃア尊公あんた当然あたりめえこって」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
市「分らねえ事はねえ、其方そっちに悪いかどが有るから参ったゞ、人を殺して物をる奴ア盗賊どろぼうちがえねえから、警察署へしょぴいてくのに何も不思議はねえ、当然あたりめえの話しだ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
まアういう訳で取附く事が出来ねえから、鍋焼饂飩なべやきうどんと化けてると、川口町に春見うじとあって河岸蔵かしぐらみんな君のだとねえ、あのくれいになったら千円ぐらいはくれても当然あたりめえ
二人並べて置いて斬れ……にイ当然あたりめえよ、密通すればれだけと処分は極って居るんだ、仮令たとえ間男をしても亭主が無闇に斬るような世の中じゃアえや、さア何処へでも勝手に持出せ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
多「何がかわってる、おらア方で異ってるじゃねえ、われえ方の根性が異ってるもんだアから、当然あたりめえの正直なことを云ってもわれがには違っているように聞えるのだ、おら真直まっすぐの事を云うだよ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
当然あたりめえの事だ、娘ッ子わしア田舎者ですが、此の火事に焼け出され、彼方此方あっちこっち迯𢌞にげまわって、包を背負しょったまゝ泊る所もねえので、此処らをうろ/\して居る所だが、貴女あんたの死のうとするのを見掛け
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ぼつちやんがアノうもながいダレまくあひだちやんとおひざへ手をせて見てらつしやるのは流石さすがうもおちがひなさるツてえましたら親方おやかたがさうひましたよ、それ当然あたりめえよおまへのやうな痴漢ばかとはちが
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)