干渉かんせふ)” の例文
相手は武家で、昔は身分のあつた者かは知りませんが、町方役人もさうまでは干渉かんせふされる理由がなかつたのです。
わかときは二はない』としようしてあらゆる肉慾にくよくほしいまゝにせんとする青年男女せいねんだんぢよ自由じいう干渉かんせふるぞ。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
はたからあまきびしく干渉かんせふするよりはかへつて気まかせにして置くはうが薬になりはしまいかと論じた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
其麽そんなことはねえつたつて打棄うつちやるもなあんめえな」おつぎは干渉かんせふぎた勘次かんじ注意ちういいやだとおもふよりも、たま/\つた卯平うへいそばでいはれるのがきまりがわるいのでのどそこつぶやいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼の父も今となつては彼に干渉かんせふを加へなかつた。彼は或女と結婚し、小さい家に住むやうになつた。彼の家は実際小さかつた。が、彼は不満どころか、可なり幸福に感じてゐた。
或社会主義者 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
はふはいまだ一個人いつこじん食物しよくもつ干渉かんせふせざる以上いじやうは、警吏けいりほどこすべき手段しゆだんなきを如何いかんせむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大洞おおほら別荘の椿事ちんじ以来、梅子は父剛造の為めに外出を厳禁せられて、ほとんど書斎に監禁のさまなり、継母の干渉かんせふはげしければ、老婆も今は心のまゝに出入することあたはず、いもと芳子が時々来りては
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
し、諸君しよくんにして中江兆民なかえてうみん先生せんせいどうしゆであつて、十八零圍氣れいゐき振舞ふりまはして滿足まんぞくしてるならば、諸君しよくんなん權威けんゐあつて、『はるみじかなに不滅ふめついのちぞと』云々うん/\うたひと自由じいう干渉かんせふるぞ。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)