干渉かんしょう)” の例文
「塾の中だけのむずかしさなら、かえってりあいがあって楽しみですけれど、外からいろいろ干渉かんしょうされたりするのは、いやですわね。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「それまでは干渉かんしょうされたくないよ、小さい人たちを上陸さしたのでは役にたたない、まずぼくが先にいって陸地を探検たんけんする」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
仏教の干渉かんしょう介助かいじょが始まってこの作法のややゆるんだ頃に、すなわちかの多くの水の神が妻をもとめる話は起ったのであろう。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
右のごとき始末しまつにして、外国政府が日本の内乱にじょう兵力へいりょくを用いておおい干渉かんしょうを試みんとするの意志いしいだきたるなど到底とうていおもいも寄らざるところなれども
そのくらいはまだよいとして弟子共が持って来る中元や歳暮せいぼの付け届け等にまで干渉かんしょうし少しでも多いことを希望して暗々裡あんあんりにその意をふうすること執拗しつよう
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
蓄音機から出てくる音楽と、音叉から出る正しい振動数の音とがたがい干渉かんしょうし合って、また別に第三の音——一しゅ異様いよううなる音が聴えはじめたのであった。
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
経済上の取引や経営に干渉かんしょうすることはできても、経済活動の創意そのものを政治が直接に生むことはできない。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
「三ごく干渉かんしょう遼東りょうとう還附かんぷ以来いらいうら骨髄こつずいてっしているんだ。理窟も糸瓜へちまもあるものか?」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
こうしてまちでは、人々ひとびとが、よろこんだり、かなしんだり、たがいにあらそったりするうちに、いつしかはるめいてきました。大空おおぞら太陽たいようは、すべてをたけれど、干渉かんしょうしようとはしなかったのです。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし政府はけっして干渉かんしょうがましい事をしません。黙って放っておくのです。その代り示威運動をやる方でもちゃんと心得ていて、むやみに政府の迷惑めいわくになるような乱暴は働かないのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それで巡査じゅんさ干渉かんしょうに対して、見物がこごとを言い始めた。
「いやだ、ぼくはぼくの銭でぼくの好きなところへゆくのに学校がなにも干渉かんしょうするにはあたらないじゃないか」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
りに一歩をゆずり、幕末にさいして外国がいこく干渉かんしょううれいありしとせんか、その機会きかい官軍かんぐん東下とうか、徳川顛覆てんぷくの場合にあらずして、むしろ長州征伐ちょうしゅうせいばつの時にありしならん。
二人ふたりぼっちゃんは、彼女かのじょ干渉かんしょう気持きもちよくおもいませんでした。
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
形勢けいせいきゅうなるは、幕末の時にしてらに急なるその内乱ないらん危急ききゅうの場合に際し、外国人の挙動きょどうは如何というに、はなは平気へいきにして干渉かんしょうなどの様子ようすなきのみならず
「人はすきずきだよ、他人の趣味に干渉かんしょうしてもらいたくないね」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)