トップ
>
小面
>
こづら
ふりがな文庫
“
小面
(
こづら
)” の例文
小面
(
こづら
)
の憎い味方だが、云い分は良策だし、頼もしいところもあるので、みなその言に従って、敵の来るのを、待ち構えていた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小面
(
こづら
)
憎いと思ひながらも、お絹のすぐれた肉體と、その輝かしい若さに、誰でも引きつけられずにはゐられなかつたのです。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鼻の先きで笑っているのを、女は
小面
(
こづら
)
が憎いようにちょっと睨んだが、すぐに思い直したようにほほえみながら、まず自分の身の上を打ち明けた。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「こちらで満足のできない状態ではなんとお約束してもどうも
已
(
や
)
むを得ませんでしょう」とこの
小面
(
こづら
)
の憎いのが
嘯
(
うそぶ
)
いた。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
稀
(
まれ
)
には
小面
(
こづら
)
の憎い才女という者もあるか知らぬが、それは正しい学問をしなかったためで、多くのやかましい女房は、
勿論
(
もちろん
)
愚痴無識の産物である。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
「あのロボのやつ、いまごろはかたくなってくたばっていることだろう。」と勇んで、
昨日
(
きのう
)
のところへ
行
(
い
)
ってみると、
小面
(
こづら
)
にくいたらありゃしません。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
意地ばって楯をつくころは女の
小面
(
こづら
)
を見ても腹が立つものだそうでげすが、さて
先方
(
さき
)
から折れて出れば元より憎い女でない、
廃業祝
(
ひきいわい
)
には当人の顔は勿論でげすが
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は
小面
(
こづら
)
にくしと感じたが、米人たちは、日露戦争以来、日本は他国を侵略したというのである。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
そういう次第だから、作おんなのお増などは、
無上
(
むしょう
)
と民子を
小面
(
こづら
)
憎がって、何かというと
野菊の墓
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
反對派の手強い壓迫の底には、單に一期や二期の利益配當を欲しがる慾得づくばかりで無く、事毎に社會思想家がつて、理想論を振廻す田原を、
小面
(
こづら
)
憎く思ふ
姑
(
しうとめ
)
根性が潜んで居た。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
年は随一若けれども客を呼ぶに妙ありて、さのみは愛想の嬉しがらせを言ふやうにもなく我まま至極の身の振舞、少し
容貌
(
きりよう
)
の自慢かと思へば
小面
(
こづら
)
が憎くいと
蔭口
(
かげぐち
)
いふ朋輩もありけれど
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お松も、
小面
(
こづら
)
の憎いイヤな奴と思いながらも、何か尋ねてみたい気になって
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
僕の隣にゐた
英吉利
(
イギリス
)
人も細君と顔を見合せながら、ワンダァフル・ヴォイスとか何とか云つた。声だけは異人にもわかるのに違ひない。のみならずしをりの細かいことも
小面
(
こづら
)
の憎い位である。
金春会の「隅田川」
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
如何
(
いか
)
にも人を食った、
褒
(
ほ
)
められようが
腐
(
くさ
)
されようが構わないと云った風な、度胸で舞っている感じがして、
小面
(
こづら
)
憎くさえ思えるのであったが、でも考えれば、彼女は今年二十九と云う大年増で
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
小面
(
こづら
)
が憎いと思うけれど、こゝで喧嘩も出来ない。淫売屋というなかにも、こゝの家はよほど
風
(
ふう
)
のわるい家で、大次郎の足どめに大小を隠してしまったらしい。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小面
(
こづら
)
の憎い
童
(
わっぱ
)
めと、何か仕返しでもしてやりたいくらいに思ったが、そう苦り切っている間にすぐ
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
年
(
とし
)
は
隨
(
ずい
)
一
若
(
わか
)
けれども
客
(
きやく
)
を
呼
(
よ
)
ぶに
妙
(
めう
)
ありて、さのみは
愛想
(
あいさう
)
の
嬉
(
うれ
)
しがらせを
言
(
い
)
ふやうにもなく
我
(
わが
)
まゝ
至極
(
しごく
)
の
身
(
み
)
の
振舞
(
ふるまい
)
、
少
(
すこ
)
し
容貌
(
きりよう
)
の
自慢
(
じまん
)
かと
思
(
おも
)
へば
小面
(
こづら
)
が
憎
(
に
)
くいと
蔭口
(
かげぐち
)
いふ
朋輩
(
はうばい
)
もありけれど
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「ああ、ああ、
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
の色好みとか云はれるおれも、この位
莫迦
(
ばか
)
にされれば世話はないな。それにしても侍従と云ふやつは、
小面
(
こづら
)
の憎い女ぢやないか? 今にどうするか覚えてゐろよ。……」
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この俺を抜いて歩く奴、
小面
(
こづら
)
の憎い振舞をしたものかな、よしそれならばこっちにも
了簡
(
りょうけん
)
があると、七兵衛は足に速力を加えて歩くと、見るまにまた銀ごしらえの脇差を追い抜いてしまいます。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「親分、ひと通りは調べて来ました。娘と駈け落ちした奴は良次郎といって、宿は浅草の
今戸
(
いまど
)
だそうです。年は二十二で
小面
(
こづら
)
ののっぺりした野郎で、後家さんのお気に入りだったそうです」
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「案内にも立たず、勝手に会えとは、何たる非礼。
小面
(
こづら
)
の憎い青二才め」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
北原大輔
(
きたはらだいすけ
)
これは僕よりも二三歳の年長者なれども、
如何
(
いか
)
にも
小面
(
こづら
)
の憎い人物なり。
幸
(
さいはひ
)
にも僕と同業ならず。若し僕と同業ならん
乎
(
か
)
、僕はこの人の
模倣
(
もはう
)
ばかりするか、或はこの人を殺したくなるべし。
田端人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
自分の返事を
鸚鵡
(
おうむ
)
返しにして、冷やかに笑っているような岡っ引の態度を、長三郎は
小面
(
こづら
)
が憎いようにも思った。彼は何をか見付けたに相違ない。そうして、意地わるく
秘
(
かく
)
しているのである。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
伊織は、何のわけか分らなかったが、仲間どもの
小面
(
こづら
)
が
癪
(
しゃく
)
にさわって
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
相手のおちついているのが、忠通には
小面
(
こづら
)
が憎いように見えた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“小面”で始まる語句
小面憎
小面倒