僕は或早春の夜、富士見町の細川侯の舞台へ金春会の能を見に出かけた。と云ふよりも寧ろ桜間金太郎氏の「隅田川」を見に出かけたのである。 僕の桟敷へ通つたのは「花筐」か何かの済んだ後、「隅田川」の始まらない前のことである。僕は如何なる芝居を見ても …
| 著者 | 芥川竜之介 |
| ジャンル | 芸術・美術 > 演劇 > 能楽 狂言 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
| 初出 | 「女性」1924(大正13)年3月 |
| 文字種別 | 新字旧仮名 |
| 読書目安時間 | 約7分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約11分(300文字/分) |