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婢女
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はしため
ふりがな文庫
“
婢女
(
はしため
)” の例文
すると満願の夜霊夢のお告げがあって、早速江戸に
赴
(
おもむ
)
き竹女と申す
婢女
(
はしため
)
を捜せ、それこそはわが生身の形容に間違いもないとの仰せじゃ
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのお腹さまがあまりご身分でない
婢女
(
はしため
)
でござりましたゆえ、ただおひとりの跡取りでありながらとかくうとんぜられがちなところへ
右門捕物帖:12 毒色のくちびる
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
で、そのまま
婢女
(
はしため
)
を連れて、しおしおと家へ帰ったのであったが、悲しさと口惜しさと怒りとで、眠ることなど出来そうもない。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼の機嫌を
損
(
そこ
)
ねはせぬかと
惴々焉
(
ずいずいえん
)
として
懼
(
おそ
)
れるものの如くである。彼には妻がある。彼の食事の支度に忙しい
婢女
(
はしため
)
も大勢いる。
南島譚:01 幸福
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
一人
(
ひとり
)
の
婢女
(
はしため
)
も去りて、すこしの
貯
(
たくはへ
)
もむなしく、其の年も暮れぬ。年あらたまりぬれども
猶
(
なほ
)
をさまらず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
▼ もっと見る
君は今もわが聲を輕しめ給はず、君が幼兒のいづれもの聲、または、君が
婢女
(
はしため
)
マリヤの聲
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
婢女
(
はしため
)
ども気味わるがりて
咡
(
ささや
)
き合ひしが、門の扉の
明
(
あけ
)
くれに用心するまでもなく、垣に
枝
(
し
)
だれし柿の実ひとつ、事もなくして一月あまりも過ぎぬるに、
何時
(
いつ
)
となく忘れて噂も出ず
成
(
なり
)
しが
琴の音
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一人の
婢女
(
はしため
)
を連れてクララは家を出た。コルソの通りには織るように人が群れていた。春の日は
麗
(
うらら
)
かに輝いて、祭日の人心を更らに浮き立たした。男も女も僧侶もクララを振りかえって見た。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
ふくれたるあかき手をあて
婢女
(
はしため
)
が泣ける
厨
(
くりや
)
に春は光れり
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
婢女
(
はしため
)
、
荷
(
に
)
をとゝのふれば
おもひで
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
婢女
(
はしため
)
眠りて
廚
(
くりや
)
さむく
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
此
(
この
)
家に竹女と申す女中がいられるに相違ない。それこそは
衆生済度
(
しゅじょうさいど
)
のため、仮に卑しき
婢女
(
はしため
)
と現じた、大日如来生身の御姿じゃ、早く、早く」
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ハイ、姿は
婢女
(
はしため
)
ながら、素姓は素晴らしく高貴の姫じゃと
専
(
もっぱ
)
ら取り沙汰にございます」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
磯宿のこの
婢女
(
はしため
)
が言なきはまたくつめたき
鱗
(
うろくづ
)
がどちか
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
まだそれほど
深
(
ふか
)
くもなしお
迎
(
むか
)
ひも
今
(
いま
)
參
(
まゐ
)
らん
御
(
ご
)
ゆるりなされと
好遇
(
もてな
)
さるゝ
程
(
ほど
)
猶更
(
なほさら
)
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
さ
堪
(
た
)
へ
難
(
がた
)
くなりて
何時
(
いつ
)
まで
待
(
ま
)
ちても
果
(
は
)
て
見
(
み
)
えませねば
憚
(
はゞか
)
りながら
車
(
くるま
)
一
(
ひと
)
つ
願
(
ねが
)
ひたしと
婢女
(
はしため
)
に
周旋
(
しうせん
)
のほど
頼
(
たの
)
み
入
(
い
)
ればそれは
何
(
なん
)
の
造作
(
ざうさ
)
もなきことなれどつひ
行
(
ゆ
)
き
違
(
ちが
)
ひにお
迎
(
むか
)
ひの
參
(
まゐ
)
るまじとも
申
(
まを
)
されず
今少
(
いますこ
)
しお
待
(
まち
)
なされてはと
澁々
(
しぶ/\
)
にいふは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
番頭の言葉と
婢女
(
はしため
)
の言葉、それを綜合して丁寧松は、推理と検討とに耽りだした。
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その仏勅に従って江戸に参っては見たが、竹女と申す
婢女
(
はしため
)
は
甚
(
はなは
)
だ少くない。
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
婢女
(
はしため
)
、
寄食人
(
かかりゅうど
)
——大家族主義の典型的に、以前は大勢の人々が、ここの家にもいたのであったが、打ちつづいた天災に家計衰え、一人去り二人去り人々去って、今はわずかに肉親だけが
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
婢女
(
はしため
)
の間、家士たちの
溜
(
たま
)
り、調理の場所、無数の建物が描かれてあり、そういう建物をグルリと取り巻いた、前庭後庭中庭などの、変化縦横の庭園の様が、同じく精巧に描かれてあった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
部屋へはいって手を
拍
(
う
)
つと、隣りの部屋から
婢女
(
はしため
)
が恐る恐る現われた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いずれも貧しい
婢女
(
はしため
)
の様子で、みすぼらしい有様でございます」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
とその姿を認めて、二、三人の
婢女
(
はしため
)
の驚くのを
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
婢
漢検1級
部首:⼥
11画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“婢女”で始まる語句
婢女共