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女菩薩
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にょぼさつ
ふりがな文庫
“
女菩薩
(
にょぼさつ
)” の例文
鳥部野
(
とりべの
)
一片の
烟
(
けむり
)
となって
御法
(
みのり
)
の風に舞い扇、極楽に歌舞の
女菩薩
(
にょぼさつ
)
一員
(
いちにん
)
増したる事疑いなしと様子知りたる
和尚様
(
おしょうさま
)
随喜の涙を
落
(
おと
)
されし。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
すると沙門はさも満足そうに、自分も悠然と立ち上って、あの
女菩薩
(
にょぼさつ
)
の
画像
(
えすがた
)
を親子のものの
頭
(
かしら
)
の上に、日を蔽う如くさしかざすと
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あたりをさぐって、そとにでれば、夜は四
更
(
こう
)
の
闇
(
やみ
)
ながら、空には、
女菩薩
(
にょぼさつ
)
たちの
御瞳
(
みひとみ
)
にも
似
(
に
)
る、うるわしい春の星が、またたいている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
美術の
淵源地
(
えんげんち
)
、荘厳の
廚子
(
ずし
)
から
影向
(
ようごう
)
した、
女菩薩
(
にょぼさつ
)
とは心得ず、ただ雷の本場と心得、ごろごろさん、ごろさんと、以来かのおんなを
渾名
(
あだな
)
した。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
藪原の
駅路
(
うまやじ
)
は、この時刻から、かえって賑かになるのであった。往く人来る人、それらの人は、いずれも長者の門を潜って、
女菩薩
(
にょぼさつ
)
を拝もうとするのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
宗右衛門が寺へ来てから
直
(
じ
)
きに彼は一つの困難に突き当つた。納所部屋から
庫裡
(
くり
)
へ続くところの一間の壁の壁画に、いつ誰の手に成つたとも知れぬ
女菩薩
(
にょぼさつ
)
の画像があつた。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
外見
(
そとみ
)
は
女菩薩
(
にょぼさつ
)
、
内心
(
ないしん
)
女夜叉
(
にょやしゃ
)
に、突如湧いた仏ごころ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
僕はまだ日本にいた時、やはり三人の
檀那
(
だんな
)
と共に、一人の芸者を共有したことがあった。その芸者に
比
(
くら
)
べれば、ダアワは何という
女菩薩
(
にょぼさつ
)
であろう。
第四の夫から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
父は六
臂
(
ぴ
)
三
面
(
めん
)
の神よりも力づよき
柱
(
はしら
)
——、母は
情体愛語
(
じょうたいあいご
)
の
女菩薩
(
にょぼさつ
)
よりもやさしい
守
(
まも
)
り——その二つのものが人間には
橋
(
はし
)
の下に生まれる子にもあるのを知った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なる程、
我
(
われ
)
正直に
過
(
すぎ
)
て
愚
(
おろか
)
なりし、お
辰
(
たつ
)
を
女菩薩
(
にょぼさつ
)
と思いしは第一の
過
(
あやま
)
り、
折疵
(
おれきず
)
を隠して刀には
樋
(
ひ
)
を彫るものあり、根性が腐って
虚言
(
うそ
)
美しく、田原が
持
(
もっ
)
て来た手紙にも
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼の長い一生に一度も生きた女性に
費
(
ついや
)
さなかつた恋の魅惑を、この老来の
而
(
しか
)
も
斯
(
こ
)
うした悲惨な境遇の今、手にもとられず、声も聞き得ぬ一片の画像の
女菩薩
(
にょぼさつ
)
に徴されようとは。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
女菩薩
(
にょぼさつ
)
様
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
女菩薩
(
にょぼさつ
)
の
幢
(
はた
)
、墨染の
法衣
(
ころも
)
、それから十文字の怪しい護符、一目見て私の甥は、それが例の摩利信乃法師だと申す事に、気がついたそうでございます。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
書物は
読
(
よめ
)
るかえ、消息往来
庭訓
(
ていきん
)
までは習ったか、アヽ嬉しいぞ
好々
(
よしよし
)
、学問も良い師匠を
付
(
つけ
)
てさせようと、慈愛は
尽
(
つき
)
ぬ長物語り、
扨
(
さて
)
こそ珠運が望み通り、
此
(
この
)
女菩薩
(
にょぼさつ
)
果報めでたくなり玉いしが
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼が壁画の前にさしかゝるや
遂
(
つい
)
に彼は
女菩薩
(
にょぼさつ
)
の
頬
(
ほお
)
を感じ初めた。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
「いえ、摩利支天ならよろしゅうございますが、その教の本尊は、見慣れぬ
女菩薩
(
にょぼさつ
)
の姿じゃと申す事でございます。」
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ちらりと、——見えたと思う瞬間には、もう見えなくなったのですが、一つにはそのためもあったのでしょう、わたしにはあの女の顔が、
女菩薩
(
にょぼさつ
)
のように見えたのです。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
菩
漢検準1級
部首:⾋
11画
薩
漢検準1級
部首:⾋
17画
“女”で始まる語句
女
女子
女房
女性
女中
女王
女郎花
女将
女郎
女形