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てんがい
ふりがな文庫
“
天涯
(
てんがい
)” の例文
天涯
(
てんがい
)
渺茫
(
べうぼう
)
たる
絶海
(
ぜつかい
)
の
魚族
(
ぎよぞく
)
は、
漁夫
(
ぎよふ
)
の
影
(
かげ
)
などは
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
もないから、
釣
(
つ
)
れるとか
釣
(
つ
)
れぬとかの
心配
(
しんぱい
)
は
入
(
い
)
らぬ、けれど
餘
(
あま
)
りに
巨大
(
きよだい
)
なるは
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そういうものが
天涯
(
てんがい
)
からくれば、気象観測の上にも異常数値が報告されるはずである。すくなくとも、つなみは起こるであろう。
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今はまったく、
天涯
(
てんがい
)
、寄るべなき二人とはなったのだ。しかし悔いはしない。卯木もそれが本望といっていたのだから。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分の身は
天涯
(
てんがい
)
ドコへ行こうとも屈託はないが、君の身の上が、女であってみると、拙者相当の取越し苦労で心配してあげていた、それが、渡りに舟で
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その泣き声は吾ながら悲壮の
音
(
おん
)
を帯びて
天涯
(
てんがい
)
の
遊子
(
ゆうし
)
をして断腸の思あらしむるに足ると信ずる。御三は
恬
(
てん
)
として
顧
(
かえり
)
みない。この女は
聾
(
つんぼ
)
なのかも知れない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
待つて居るといふ兩親もあるさうではないか、俺は
天涯
(
てんがい
)
の孤兒、何處へ行きやうも無いから、此處に踏み留まる
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは
天涯
(
てんがい
)
から飛来したものではなくやはり地から生まれた。それはちょうど現に雨や太陽の熱によって肥土から虫が生まれるように生まれたものであると説く。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
これは
抑
(
そもそ
)
も
何
(
なん
)
の為であらうか? 僕は僕に手紙を寄せた何人かの
天涯
(
てんがい
)
の美人を考へ、つまり僕の女性の読者は水上君の女性の読者よりもはるかに彼等の社交的趣味の進歩してゐる為と断定した。
変遷その他
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ついに大日輪
黄帝
(
こうてい
)
は
闇
(
やみ
)
と地の邪神
祝融
(
しゅくゆう
)
に打ち勝った。その巨人は死苦のあまり頭を
天涯
(
てんがい
)
に打ちつけ、硬玉の青天を粉砕した。星はその場所を失い、月は夜の
寂寞
(
せきばく
)
たる天空をあてもなくさまようた。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
天涯倶見月団欒
天涯
(
てんがい
)
に
倶
(
とも
)
に見る月も
団欒
(
だんらん
)
す〕
十九の秋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私が企てた
復仇
(
ふっきゅう
)
を待つまでもなく今
天涯
(
てんがい
)
にのがれ出でた相良十吉であったが、風間真人の
執念
(
しゅうねん
)
は未だにくつることなく
彼
(
か
)
の人の上にかかっているようだ。
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
天涯
(
てんがい
)
の孤軍である。「いっそ、よからん!」と、尊氏は胸のうちで言っているかのようだった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尽十方
(
じんじっぽう
)
に飛び
交
(
か
)
わす小世界の、
普
(
あま
)
ねく
天涯
(
てんがい
)
を行き尽して、しかも尽くる期なしと思わるるなかに、絹糸の細きを
厭
(
いと
)
わず植えつけし
蚕
(
かいこ
)
の卵の並べるごとくに、四人の小宇宙は
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
天涯
(
てんがい
)
萬里
(
ばんり
)
の
此
(
この
)
帝國軍艦
(
ていこくぐんかん
)
の
艦上
(
かんじやう
)
にて、
昔馴染
(
むかしなじみ
)
の
水兵等
(
すいへいら
)
に
對面
(
たいめん
)
したものと
見
(
み
)
える。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼は、電子望遠鏡の前に立って、その操縦桿をいろいろと操りながら、
天涯
(
てんがい
)
を
隈
(
くま
)
なく捜査していった。ところがどの位探しても、ロケットの姿は入ってこなかった。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その実
銘々
(
めいめい
)
孤立して山の中に立て
籠
(
こも
)
っていると一般で、隣り合せに
居
(
きょ
)
を
卜
(
ぼく
)
していながら心は
天涯
(
てんがい
)
にかけ離れて暮しているとでも評するよりほかに仕方がない有様に
陥
(
おちい
)
って来ます。
道楽と職業
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
父の
領地
(
りょうち
)
は
焦土
(
しょうど
)
となり、身は
天涯
(
てんがい
)
の
孤児
(
こじ
)
となった伊那丸、さだめし
口惜
(
くや
)
しかろう、もっともである。いずれ、家康もとくと考えおくであろうから、しばらくは、まず落ちついて、体を
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おおかた
流汗淋漓
(
りゅうかんりんり
)
大童
(
おおわらわ
)
となって自転車と奮闘しつつある
健気
(
けなげ
)
な様子に見とれているのだろう、
天涯
(
てんがい
)
この
好知己
(
こうちき
)
を得る以上は
向脛
(
むこうずね
)
の二三カ所を
擦
(
す
)
りむいたって惜しくはないという気になる
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宇宙線は、
天涯
(
てんがい
)
から地球へも飛んでくるふかしぎの放射線である。
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
は七尺の身を
天涯
(
てんがい
)
へ
托
(
たく
)
し行くこと
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乗って見たまえとはすでに
知己
(
ちき
)
の語にあらず、その昔本国にあって時めきし時代より
天涯
(
てんがい
)
万里孤城落日資金窮乏の今日に至るまで人の乗るのを見た事はあるが自分が乗って見たおぼえは毛頭ない
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“天涯”の意味
《名詞》
天 涯(てんがい)
空の果て。天際。
故郷を遠く離れた、よその土地。
(出典:Wiktionary)
“天涯(天涯区)”の解説
天涯区(てんがい-く)は中華人民共和国三亜市に位置する市轄区。
(出典:Wikipedia)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
涯
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“天涯”で始まる語句
天涯孤独
天涯漂泊
天涯無住
天涯無禄
天涯独歩