城山しろやま)” の例文
城山しろやまの別府勇吉君! 勇吉が体操のときのように脚をひろげて一歩二歩三歩と前へ出た。日本橋区芳町二丁目ヤマダ合資会社藤井謹之助さん。
三月の第四日曜 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
こまかい事実の相違を挙げていては、際限がない。だから一番大きな誤伝を話しましょう。それは西郷隆盛が、城山しろやまたたかいでは死ななかったと云う事です。」
西郷隆盛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
十勝の山奥に来て薩摩琵琶とは、思いかけぬ豪興ごうきょうである。弾手ひきて林学士りんがくしが部下の塩田君しおだくん鹿児島かごしま壮士そうし。何をと問われて、取りあえず「城山しろやま」を所望しょもうする。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その町に城山しろやまというのがあって、大木暗く茂った山で、あまり高くはないが、はなはだ風景に富んでいましたゆえ、私は散歩がてらいつもこの山に登りました。
春の鳥 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そうして宋太郎そうたろうは、のちに西南せいなんえき西郷隆盛さいごうたかもり部下ぶかとなり、城山しろやまんだのですが、朝吹あさぶき慶応義塾けいおうぎじゅくをさかんにするうえで、なくてはならぬひとになりました。
街の中央に、百三十メートルほどの高さで聳えている城山しろやまは、全山、豊富な樹木に掩われていて、緑の瘤のようだ。頂上の白い城は、しゃれた山高帽に似ている。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
おいどんとけえ来て見ろ。西郷先生の城山しろやまで切腹さした短刀ちゅうもんが、チャンとかくしてごわすじゃ。手紙でん何でん持っとる。来て見ろや、そりゃ、えさっかぞお。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
まだ可怪おかしかつたのは、一行いつかうが、それから過般いつかの、あの、城山しろやまのぼ取着とつつき石段いしだんかゝつたときで。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
蝶蛾ちょうが甲虫かぶとむし類のいちばんたくさんにんでいる城山しろやまの中をあちこちと長い日を暮らした。
花物語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
遠く見える城山しろやまには少し紅葉が混っている。
中山七里 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
人間にんげんにはえぬ……城山しろやま天守てんしゆうへに、をんなうつばりからつるしてく、とをとこへ!』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
左岸の城山しろやまに洞門を穿うがつのである。奇岩突兀とっこつとしてそびえ立つその頂上に近代のホテルを建て更に岩石層のたて隧道トンネルをくりぬき、しんしんとエレヴェーターで旅客を迎える計画だそうである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
城山しろやまのぞみて
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)