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噂
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うわ
ふりがな文庫
“
噂
(
うわ
)” の例文
笠原は別に何もしていなかったのだが、商会では赤いという
噂
(
うわ
)
さがあった。それで主任が保証人である下宿の主人のところに訪ねてきた。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
譬
(
たと
)
えて申しましょうなら、御本宅や御親類は
蜂
(
はち
)
の巣です。其処へ旦那様が石を投げたのですから、奉公人の私まで痛い
噂
(
うわ
)
さに刺されました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
場所が場所であるし、赤外線男の
噂
(
うわ
)
さの高い
折柄
(
おりから
)
でもあったので、
直
(
ただ
)
ちに
幾野
(
いくの
)
捜査課長、
雁金
(
かりがね
)
検事、
中河予審判事
(
なかがわよしんはんじ
)
等、係官一行が急行した。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
フランシスが狂気になったという
噂
(
うわ
)
さも、父から勘当を受けて乞食の群に加わったという風聞も、クララの乙女心を不思議に強く打って響いた。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
そうした
噂
(
うわ
)
さがどこからともなく流れて来た。二人が立ち話をしていたのを、一度巡回の看守長が遠くから見て担当看守に注意をしたことがあったのである。
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
▼ もっと見る
お城下の
蘭医派
(
らんいは
)
の菊坂長政は、それを一種の病毒不明の、
併
(
しか
)
しながら何等かの犬畜に犯されたらしい診断をしただけ、別に取り立てて
噂
(
うわ
)
さするものがなかった。
天狗
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「ああら、玉子とは丸いものかや。
妾
(
わらわ
)
は初めて拝見しまする」と、下情に通じさせながら、毎月のお買上げ金二万円也も、
可成
(
かな
)
り古いお
噂
(
うわ
)
さであるが、——その先祖以来
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
ハワイに行ったともいい、南米に行ったとも
噂
(
うわ
)
させられたが、実際のことは誰も知らなかった。
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「今朝もお
噂
(
うわ
)
さを致して居りましたところです。こんなによくおなりになろうとは実に思い
懸
(
が
)
けがなかったのです。まだそれでもお足がすこしよろよろしているようですが。」
初夢
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
甚三が夜のうちに
逐電
(
ちくてん
)
したと云う
噂
(
うわ
)
さが聞え出して笛の音は一時、ばったりと絶えた。
かやの生立
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
このような身代の身に引き受きょうとは、ちとえら過ぎると連れ添う
妾
(
わたし
)
でさえ思うものを、他人はなんと
噂
(
うわ
)
さするであろう、ましてや親方様は定めし憎いのっそりめと怒ってござろう
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
……男女間の風紀などもとかく
紊
(
みだ
)
れがちで、いろいろといやな
噂
(
うわ
)
さが多かった。
つばくろ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
人の
噂
(
うわ
)
さでは過日国立博物館で脇本楽之軒の講演があった時、その中でも「柳さんは昭和の利休とでもいうべき人だ」と話されたそうである。実はこれまでも時折そういう讃辞をうけたことがある。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それは
主
(
ぬし
)
のないスリッパーに
唆
(
そそ
)
のかされた罪かも知れなかった。けれどもスリッパーがなぜ彼を唆のかしたかというと、
寝起
(
ねおき
)
に横浜の女と番頭の
噂
(
うわ
)
さに
上
(
のぼ
)
った清子の消息を
聴
(
き
)
かされたからであった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
家々のどの軒にも、昨夜の事件が
噂
(
うわ
)
さされている心地だった。
撞球室の七人
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
彼の
片頬
(
かたほほ
)
には見るも恐ろしい
蟹
(
かに
)
のような形をした
黒痣
(
くろあざ
)
がアリアリと浮きでていた。これこそ
噂
(
うわ
)
さに名の高い
兇賊
(
きょうぞく
)
痣蟹仙斎
(
あざがにせんさい
)
であると知られた。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
甚
(
はなは
)
だ唐突ながら一筆申上
候
(
そうろう
)
……かねてより御
噂
(
うわ
)
さ、蔭
乍
(
なが
)
ら承り居り候。さて、未だ御目にかからずとは申しながら腹蔵なく思うところを書き記し候。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
倉田工業は、臨時工の若干を本工に直すかも知れないという
噂
(
うわ
)
さで、最後のピッチを挙げていた。私たちはそれにそなえるために、細胞の再編成をやることにした。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
かの女は、華美でも洗練されて
居
(
い
)
るし、
我儘
(
わがまま
)
でも
卒直
(
そっちょく
)
な戸崎夫人の
噂
(
うわ
)
さは
不愉快
(
ふゆかい
)
でなかった。そういう甲野氏も
僻
(
ひが
)
み
易
(
やす
)
いに似ず、ずかずか言われる戸崎夫人をちょいちょい
尋
(
たず
)
ねるらしかった。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「婆さんもね、早く孫の顔を見たいなんて、
日常
(
しょっちゅう
)
その
噂
(
うわ
)
さばかりさ。どうだね、……未だそんな模様は無いのかい」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
十円を出すという
噂
(
うわ
)
さを立てさせているのには、明らかに会社側の策略がひそんでいるのだ。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「うん、判ったぞオ。これは
怪力線
(
かいりょくせん
)
に違いない。
噂
(
うわ
)
さに聞いた怪力線の出現。ああ、そうだ。紙洗大尉の奴、井筒副長から何か言われてたっけが、あれが『
天佑
(
てんゆう
)
』の
正体
(
しょうたい
)
なんだな」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と電話に出てみると、
向
(
むこ
)
うは
噂
(
うわ
)
さの
主
(
ぬし
)
の覆面の探偵青竜王からだった。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その後
亜米利加
(
アメリカ
)
産の浅間号という名高い種馬も入込みました。それから次第に馬匹の改良が始まる、
野辺山
(
のべやま
)
が原の馬市は一年増に盛んに成る、その
噂
(
うわ
)
さが
某
(
それがし
)
の宮殿下の御耳まで届くように成りました。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
これだけの大した身なりの婦人で、引取人の無いのは不思議
千万
(
せんばん
)
だと署員が
噂
(
うわ
)
さし合っているところへ、待ちに待った引取人が現れた。それは
轢死後
(
れきしご
)
、
丁度
(
ちょうど
)
十四時間ほど経った其の日の真夜中だった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「全然
素人
(
しろうと
)
じゃないという
噂
(
うわ
)
さもありましたが……」
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“噂”の解説
噂(うわさ)は、その内容が事実であるかどうかを問わず、世間で言い交わされている話のこと。類義語として流言、飛語(蜚語)、風説、デマ、ゴシップなどがある。語源は「浮沙汰(うわさた)」である。デマの流布行為は名誉毀損・信用毀損罪や偽計業務妨害罪に問われる。
噂は口コミ、また歴史的には落書(落し文)、現代ではインターネットなどの媒体を通じて流布される。
(出典:Wikipedia)
噂
漢検準1級
部首:⼝
15画
“噂”を含む語句
噂話
御噂
噂好
噂咄
金鯱噂高浪
名大津画噂一軸
噂出
噂種
噂立
噂計
御噂承
御噂申出