哲学てつがく)” の例文
旧字:哲學
カントの超絶てうぜつ哲学てつがく余姚よよう良知説りやうちせつだいすなはだいなりといへども臍栗へそくりぜに牽摺ひきずすのじゆつはるかに生臭なまぐさ坊主ばうず南無なむ阿弥陀仏あみだぶつおよばず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
次郎の頭に、自然に浮かんで来たのは、いつもかれの人生哲学てつがくおくにひそんでいる「無計画の計画」という言葉であった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そうして自分じぶん哲人ワイゼかんじている……いや貴方あなたこれはです、哲学てつがくでもなければ、思想しそうでもなし、見解けんかいあえひろいのでもい、怠惰たいだです。自滅じめつです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
つまり、魚心堂先生の釣りは、先生の哲学てつがくであり、ぜんであり、思索しさくであり、生活である——こういうやかましいいわれから来て、魚心堂先生の名もある訳……。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ミルトンのたからかにぎんじたところ饑渇きかつなか々にしがたくカントの哲学てつがくおもひひそめたとて厳冬げんとう単衣たんいつひしのぎがたし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
いく丁斑魚めだかでも満足まんぞくられんなら、哲学てつがくをせずにはおられんでしょう。いやしくも智慧ちえある、教育きょういくある、自尊じそんある、自由じゆうあいする、すなわかみぞうたる人間にんげんが。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
大河君は、普通ふつうの塾生とはちがって京大を出た人だよ。専門は哲学てつがくだ。しかし概念がいねんの哲学者じゃない。孔子こうしとかソクラテスとかいった型の、いわゆる哲人だね。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「はああ、あの、京都大学で哲学てつがくをおやりになって、今、中学校の先生をしていらっしゃるって方?」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
くうくう」だとか、内部ないぶだとか、外部がいぶだとか、苦痛くつうや、たいする軽蔑けいべつだとか、真正しんせいなる幸福こうふくだとか、とこんな言草いいぐさは、みなロシヤの怠惰者なまけもの適当てきとうしている哲学てつがくです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)