向後かうご)” の例文
政治上にせよ、経済上にせよ、向後かうご解決されべき諸問題はくらゐ彼等の前によこたはつてゐるか分らないとつてもい位である。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もとより些細ささいのことながら萬事ばんじしてくのごとけむ、向後かうご我身わがみつゝしみのため、此上このうへ記念きねんとして、鳥籠とりかごとこゑ、なぐさみとなすべきぞ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かたじけない。忝ない。今まではつれないと思つてゐたが、もう向後かうごは御仏よりも、お前に身命を捧げるつもりだ。」
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
万邦ばんはう環視くわんしの中に一大急飛躍を演じたる吾国は、向後かうご如何なる態度を以てか彼等の注目を迎へむとする。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
相勤あひつとめ呉れる樣内談ないだん仕つりしを何方にてかうけたまはり猶々ねた彌増いやまし猿島川さるしまがはに待伏居り兩人を殺し私しに氣をおとさせ向後かうご村中より相頼み候共村長役勤めかねる樣仕つりしに相違さうゐこれなく此段何卒御賢察ごけんさつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
勿体もつたいなくも御水を頂かれた上からは、向後かうご『れぷろぼす』を改めて、『きりしとほろ』と名のらせられい。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
待対たいたい世界のすべてのものがこと/″\く条件つきでその存在を許されてゐる以上、向後かうごに回復されべき欧洲の平和にも、また絶対の権威が伴つてゐない事だけは誰の眼にも明かである。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
無禮講ぶれいかうまをことで、從前じうぜんにも向後かうごにもほかありませんのおやしきけつしてやうなことはござりますまいが、羽目はめをはづしてたべひますると、間違まちがひおこりやすいものでござります
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
換言すれば生存上腕力の必要を向後かうご当分のあひだ忘れる事の出来ないやうに遣付やつつけられた。軍国主義が今迄彼等に及ぼした、又これから先彼等に及ぼすべき影響は決して浅いものではない。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)