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口入
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くちいれ
ふりがな文庫
“
口入
(
くちいれ
)” の例文
手紙で知らして来た容子に
由
(
よ
)
ると、その後も続いて沼南の世話になっていたらしく、中国辺の新聞記者となったのも沼南の
口入
(
くちいれ
)
なら
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
橋を越して
合羽
(
かっぱ
)
橋へ出て、頼んでおいた
口入
(
くちいれ
)
所へ行く。稲毛の旅館の女中と、浅草の牛屋の女中の口が一番私にはむいている。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
弥吉は、部屋へかえると、通しをかけてあった大隅への奉公口の返事を、
口入
(
くちいれ
)
業のある
町家
(
まちや
)
をさして出かけて聞きに行った。どうせ浮いた髪結業だ。
お小姓児太郎
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
お手廻りのお世話をさせるために、江戸でお召抱えになったのがそのお藤さんで、当時はそんな邸向の奉公人ばかりを
口入
(
くちいれ
)
する
請宿
(
うけやど
)
があったのだそうです。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
傷
(
きず
)
は薩州
邸
(
やしき
)
の
口入
(
くちいれ
)
で近衛家の
御殿医
(
ごてんゐ
)
が来て
縫
(
ぬ
)
つた。在所の者は朗然和上の災難を
小気味
(
こきみ
)
よい事に言つて、奥方の難産と併せて
沼
(
ぬま
)
の
主
(
ぬし
)
や先住やの祟りだと噂した。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
▼ もっと見る
今年十八で器量はよし柔和ではあり、恩人織江の
口入
(
くちいれ
)
でありますから、早速其の者を召抱えて使いました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まず自分の子が出来る前からして
神下
(
かみおろ
)
しの所に行って賄賂を遣って置くです。そうしてどこか良い寺へその子供をあるラマの化身だというて
口入
(
くちいれ
)
をして貰うのです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
お島が今の養家へ貰われて来たのは、
渡場
(
わたしば
)
でその時行逢った父親の知合の男の
口入
(
くちいれ
)
であった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
これは
口入
(
くちいれ
)
の婆あさんが、こん度越して来た家の窓から、指さしをして教えてくれたのである。見れば、なる程立派な
構
(
かまえ
)
で、高い土塀の外廻に、
殺竹
(
そぎだけ
)
が
斜
(
ななめ
)
に打ち附けてある。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
この養子に契約した者も将軍より一字を貰って、細川六郎
澄元
(
すみもと
)
と名乗った。つまり澄元の方は内〻の者が約束した養子で、澄之の方は立派な人〻の
口入
(
くちいれ
)
で出来た養子であったのである。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
歸
(
かへ
)
し
其後
(
そのご
)
平右衞門
(
へいゑもん
)
の
口入
(
くちいれ
)
にて
相方
(
さうはう
)
相談
(
さうだん
)
調
(
とゝの
)
ひ
吉日
(
きちにち
)
を
撰
(
えら
)
みて五百
兩
(
りやう
)
持參金
(
ぢさんきん
)
をなし又七を彼の
白子屋
(
しろこや
)
の
聟養子
(
むこやうし
)
とぞなしたりけり此事は
素
(
もと
)
よりお熊の
不承知
(
ふしようち
)
なるを
種々
(
いろ/\
)
説
(
とき
)
勸
(
すゝ
)
め
跡
(
あと
)
は
右
(
と
)
も
左
(
かく
)
も
先
(
まづ
)
當分
(
たうぶん
)
其
(
その
)
五百兩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
雇人
口入
(
くちいれ
)
業という札が出ていて、いつも人が集っているのでした。引手をする女は五十くらいだったでしょうか。額の抜け上った、小形の
痩
(
や
)
せた女でした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
何々というはズボラで通ってる門生で、原稿引当ての前借を紅葉が
口入
(
くちいれ
)
したものらしい。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
どこへ行く当もない。正反対の電車に乗ってしまった私は、寒い上野にしょんぼり自分の影をふんで降りた。狂人じみた
口入
(
くちいれ
)
屋の高い広告燈が、難破船の信号みたように風にゆれていた。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
尋ねる
内
(
うち
)
幸
(
さい
)
はひ小川町にて其頃評判の御
殿醫
(
てんい
)
武田長生院方
(
たけだちやうせいゐんかた
)
に人の入用ありと
聞
(
きゝ
)
口入
(
くちいれ
)
の者に頼みて
此處
(
ここ
)
に住込ける此長生院と申は
老年
(
としばえ
)
と
云
(
いひ
)
殊
(
こと
)
に名醫の
聞
(
きこ
)
えあれば
大流行
(
おほはやり
)
にて毎日々々
公私
(
こうし
)
の使ひ引も切らず藥取の者其外門前に
市
(
いち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
聞出し
早速
(
さつそく
)
同人方へ到り掛合樣此度
聖護院
(
しやうごゐん
)
の
宮
(
みや
)
御配下天一坊樣御上京に
付
(
つき
)
拙者
(
せつしや
)
御旅館
展檢
(
てんけん
)
の
爲
(
ため
)
上京し所々聞合せしに
貴所方
(
きしよかた
)
明店然るべしと申事なり
何卒
(
なにとぞ
)
御上京
御逗留中
(
ごたうりうちう
)
借用致し度との旨なりしが四郎右衞門は異儀なく
承知
(
しようち
)
しければ同人の
口入
(
くちいれ
)
にて直樣金銀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
“口入”の解説
口入(くにゅう)は、口出しや干渉、仲介、斡旋などの行為を意味しており、日本においては古代から近代まで長く使われた言葉であるが、中世には特殊な法律用語として用いられた。
(出典:Wikipedia)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“口入”で始まる語句
口入屋
口入宿
口入師
口入所