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三個
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さんこ
大な
蛤、
十ウばかり。(
註、ほんたうは
三個)として、
蜆も
見事だ、
碗も
皿もうまい/\、と
慌てて
瀬戸ものを
噛つたやうに、
覺えがきに
記してある。
と
答へて、
彼が『うむ、いよ/\
違ない、
船幽靈メー。』と
單獨でぐと/\
何事をか
言つて
居るのを
聽き
流しながら、
猶よく
其海上を
見渡すと、
今眼に
見ゆる
三個の
燈光は
淋い、
森とした中に
手拍子が
揃って、コツコツコツコツと、
鉄槌の音のするのは、この小屋に並んだ、
一棟、
同一材木
納屋の中で、
三個の石屋が、石を
鑿るのである。
例のビール
樽船長は
此時私の
頭上に
當る
船橋の
上に
立つて、
頻りに
怪の
船の
方向を
見詰めて
居つたが、
先刻遙か/\の
海上に
朦乎と
三個の
燈光を
認めた
間こそ、
途方も
無い
事を
言つて
居つたものゝ