“ひこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒコ
語句割合
33.3%
日子15.2%
秘庫15.2%
曾孫12.1%
卑狗3.0%
3.0%
小舌3.0%
曽孫3.0%
氷凝3.0%
皮狐3.0%
飛狐3.0%
飛鈷3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひこさんの方へってまかなってもらってるんだから、少しは楽にならなけりゃならない訳さ
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
十一月の末にはもう山上の日子ひこの宮には禰宜も登らず、茶店もとじてしまうそうな。(英彦山は天照大神のみ子天忍穂耳尊天降りの地という)
英彦山に登る (新字新仮名) / 杉田久女(著)
本土ほんどそと秘庫ひこ
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
……だが何時いつか、こんな親のこんな意志もちりと積つて、子供が駄目ならば孫、孫もあだに過ぎたら曾孫ひこの代に、ひよつこり偶然のやうに人物が出て、偉い学問もして
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
夜はけた。彼女は椎のこずえの上に、むらがった笹葉ささばの上に、そうして、しずかな暗闇に垂れ下った藤蔓ふじづる隙々すきずきに、亡き卑狗ひこ大兄おおえの姿を見た。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
卑弥呼は薄桃色の染衣しめごろもに身を包んで、やがて彼女の良人おっととなるべき卑狗ひこ大兄おおえと向い合いながら、鹿の毛皮の上で管玉くだだまと勾玉とをけていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
水戸みなとの神のひこ櫛八玉くしやたまの神膳夫かしはで二一となりて、天つ御饗みあへ二二獻る時に、ぎ白して、櫛八玉の神鵜にりて、わたの底に入りて、底のはこひあがり出でて二三、天の八十平瓮びらか二四を作りて
「これなるは流産ちあれめ。」と喉の小舌ひこ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
卒業する。郁子は二十二になるから、もう嫁に行って曽孫ひこの一人も生んでいるだろう。敏子は二十で縁談が降るようにある
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
氷凝ひこり雲層雲かさぐもの群、重ね雲、寂び金の雲、下あかり雲ともわかず、薄ぎらひ山ともわかず、たださへもうつつならぬを、たださへも果てしわかぬを、日の射すか末広の虹幾すぢか透きて落せり。
またある人、小野蘭山おのらんざん先生にたずねければ、「黄県志こうけんし」の皮狐ひこにちかしと答えられしとなり。雲伯うんぱく俚俗りぞく、このものの人を悩ますことをいえども、人を悩ますものにあらず。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
屋の上で鴟の鳴くのは飯綱の法成就の人に天狗が随身伺候しこうするのである意味だ。旋風の起るのも、目に見えぬ眷属けんぞくが擁護して前駆ぜんくするからの意味である。飯綱の神は飛狐ひこっている天狗である。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
飛鈷ひこ地に落ちて嶮にひし古松の蔭、なかば立木を其儘に結びたる一個の庵室、夜ごとの嵐に破れ寂びたる板間いたまより、漏る燈の影暗く、香烟窓を迷ひ出で、心細き鈴の音、春ながら物さびたり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)