秘庫ひこ)” の例文
そのため、増長天王はしばらく江戸の上屋敷の秘庫ひこにあったが、後に将軍家斉いえなり懇望こんもうされて、江戸城本丸に移された。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
本土ほんどそと秘庫ひこ
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もし、再びその仮面が彼の手に奪われることがあったら、もう滅多にあの品物の秘庫ひこに返ってくる日はのぞまれない。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
民間だけでなく、ずっと後ではあるが、光圀の書面をたずさえた大串元善おおぐしもとよしは、京都の菊亭内府きくていないふを訪れて、宮中の秘庫ひこにつたわる貴重な文書もんじょや書籍の借覧しゃくらんまで熱心に願い出ていた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「母の禅尼ぜんにが、さる寺院の秘庫ひこにあるのを、前より知っておりましたとかで」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)