曾孫ひこ)” の例文
新字:曽孫
うらやましい死に様である。ある婆さんは、八十余で、もとは大分難義もしたものだが辛抱しんぼうしぬいて本家分家それ/″\繁昌はんじょうし、まご曾孫ひこ大勢持って居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
……だが何時いつか、こんな親のこんな意志もちりと積つて、子供が駄目ならば孫、孫もあだに過ぎたら曾孫ひこの代に、ひよつこり偶然のやうに人物が出て、偉い学問もして
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
一族——息子たちや、孫たちやそれから曾孫ひこたち——は、みな深いかなしみに沈んでいた。
「もう死ぬ死ぬと思いながら、やがて曾孫ひこまで見るかも知れないなあ……」
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)