“しちやう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
紙帳27.3%
市長18.2%
子長9.1%
仕丁9.1%
市庁9.1%
9.1%
紙灯9.1%
紫丁9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ときに、薄霧うすぎりが、紙帳しちやうべて、蜻蛉とんぼいろはちら/\と、錦葉もみぢうたゑがいた。八月六日はちぐわつむいかおぼえてる。
十和田の夏霧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お父さん 僕それから市長しちやうにあひました まちの名まへはミルチス・マヂョル市といひました
淇園は人の皆知る所なればしばらく置く。文台、名はげんあざな子長しちやう、伊賀の人である。渉筆に霞亭の自記と、韓凹巷かんあふこうの文とがあつて、此人の事がつくしてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「三月十六日与狩谷少卿、渋江子長、森立夫及児重、同遊墨水。途中遇雨。」少卿は棭斎の子懐之くわいしである。子長しちやうは抽斎全善かねよし立夫りつふ枳園立之きゑんりつし、並に年少の門人である。ちようは三男柏軒である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
覚束おぼつかない行燈の光の中に、象牙のしやくをかまへた男雛をびなを、冠の瓔珞やうらくを垂れた女雛めびなを、右近のたちばなを、左近の桜を、の長い日傘をかついだ仕丁しちやうを、眼八分に高坏たかつきを捧げた官女を、小さい蒔絵まきゑの鏡台や箪笥を
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それからしたはうへかけて、カリフォルニヤがい坂道さかみちを、断間たえまなく鋼索鉄道ケーブルカー往来わうらいするのがえる。地震ぢしんときけたのが彼処あすこ近頃ちかごろてかけた市庁しちやうあれと、甲板かんぱんうへ評定ひやうぢやうとり/″\すこぶやかましい。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)
「さア、親分何うです、中が死んで、すみが死んで、目のあるのは幾つもありませんぜ。——今更しちやうの當りなんか打つたつて追つ付くもんですか」
柱をば杉檜の葉もて包み、大なる紅葉の枝を添へ、壁際かべぎは廊下には菊花壇を作りて紙灯しちやうをともしたるなど、何となく一の菊畑でも見物する心地あり。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
灯を消せば千山の夜の僧のとこ紫丁しちやうの花の香のみたなびく