“全善”の読み方と例文
読み方割合
かねよし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渋江恒善つねよしは抽斎全善かねよしの長男である。榛軒門人録には「渋江道陸」として載せてある。塾生であつた。性謹厚にして、人の嬉笑するを見ては顰蹙して避けた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
抽斎は平姓へいせいで、小字おさなな恒吉つねきちといった。人と成ったのちの名は全善かねよしあざな道純どうじゅん、また子良しりょうである。そして道純を以て通称とした。その号抽斎の抽字は、もとちゅうに作った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
渋江氏で此年蘭門の高足であつた抽斎全善かねよしが五十四歳で歿した。流行の暴瀉ばうしやに罹つて、八月二十九日に瞑したのである。柏軒は抽斎の病み臥してよりとこかたはらを離れなかつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)