“あざな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アザナ
語句割合
84.4%
字名6.3%
渾名2.1%
1.0%
畝號1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
綽号1.0%
綽名1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「——司馬徽しばきあざな徳操とくそう。また道号を水鏡すいきょう先生と申されます。生れは潁川えいせんですから黄巾の乱なども、よく見聞しておいでになります」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくして法師丸は父の字名あざなの一字をもらって河内介輝勝かわちのすけてるかつと名のり、同じ年の夏には一閑斎に従って箕作城みづくりじょうの城攻めに加わり、早くも初陣ういじんの功を立てた。
その大睾丸を蜂に食はれて、家に帰るまで泣き続けて居たといふ事と、今一つ、よく大睾丸を材料たねにして、いろ/\渾名あざなを付けたり、悪口を言つたりるものだから、しまひにはそれを言ひ始めると
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
わらわことの姓名を問い給うか、父は元京都の産にして、姓は安藤、名は慶蔵、あざな五光と申せしが、ある夜、母君、丹頂の鶴を夢見て、妾を胎み給いしかば、幼少の折は鶴女鶴女と申せしが——」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
此地は傀儡子の魃首かしら小林六太夫と私稱して其徒居住す。世俗此畝號あざなを用て南光部なんくわうぐみとよぶ。其婦妻のものは死靈のうらかたを業とす。是をたたき神子みこといふ。梓神子あづさみこのたぐひなりとぞ。
「さても、お久しいことでござった。今日、こうして無事な姿が見られようとは、まことに、禍福かふくあざなえる縄のごとしとか。人生の不測ふそく、分らないものですな」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
申立けるこそをかしけれ扨さしも種々いろ/\樣々さま/″\もつれし公事くじ成りしが今日の一度にて取調べすみに相成口書の一だんまでに及びけり嗚呼あゝ善惡ぜんあく應報おうはういちじるしきはあざなへるなはの如しと先哲せんてつ言葉ことばむべなるかな村井長庵は三州藤川在岩井村に生立おひたち幼年えうねんの頃より心底こゝろざまあしく成長するにしたが惡行あくぎやう増長ぞうちやうして友達の勘次郎と云者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『——世はあざなえるなわのごとし……と、誰が云ったか。春が、身に沁みる』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時に城中に一長者ありて、七度妻をめとりて皆死んだので、衆人綽号あざなして殺婦と言った。
それから意見を加えて悪事をめさせ善人に仕立るのが極くすきで、一寸ちょっと聞くと怖いようでございますが、く/\見ると赤子も馴染むような美男びなんですから、綽名あざなを業平文治と申しましたのか
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)