渾名あざな)” の例文
とにかく吉川はやっとに落ちたらしい言葉遣ことばづかいをして、なおその当人の猿という渾名あざなを、一座をにぎわせる滑稽こっけい余音よいんのごとくかえした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その大睾丸を蜂に食はれて、家に帰るまで泣き続けて居たといふ事と、今一つ、よく大睾丸を材料たねにして、いろ/\渾名あざなを付けたり、悪口を言つたりるものだから、しまひにはそれを言ひ始めると
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
叔母はわざわざ百合子のけた渾名あざなで継子を呼んだ。お延はすぐその慾張屋の様子を思い出した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)