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直
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たゞ
ふりがな文庫
“
直
(
たゞ
)” の例文
其
(
それ
)
から
煩
(
わづら
)
ひついて、
何時
(
いつ
)
まで
經
(
た
)
つても
治
(
なほ
)
らなかつたから、
何
(
なに
)
もいはないで
其
(
そ
)
の
内
(
うち
)
をさがつた。
直
(
たゞ
)
ちに
忘
(
わす
)
れるやうに
快復
(
くわいふく
)
したのである。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
直
(
たゞ
)
ちに
此
(
こ
)
れが
扇子
(
せんす
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た
所爲
(
せい
)
だと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つて
急
(
いそ
)
いで
其扇子
(
そのせんす
)
を
捨
(
す
)
てました、
恰
(
あだか
)
も
縮
(
ちゞ
)
むのを
全
(
まつた
)
く
恐
(
おそ
)
れるものゝ
如
(
ごと
)
く。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
猛狒
(
ゴリラ
)
の
類
(
るい
)
は
此
(
この
)
穴
(
あな
)
の
周圍
(
しうゐ
)
に
牙
(
きば
)
を
鳴
(
なら
)
し、
爪
(
つめ
)
を
磨
(
みが
)
いて
居
(
を
)
るのだから、
一寸
(
ちよつと
)
でも
鐵檻車
(
てつおりくるま
)
の
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
たら
最後
(
さいご
)
、
直
(
たゞ
)
ちに
無殘
(
むざん
)
の
死
(
し
)
を
遂
(
と
)
げてしまうのだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
演
(
のべ
)
長助お光の兩人は是で
此方
(
こなた
)
に
拔目
(
ぬけめ
)
はないと
小躍
(
こをどり
)
をして立戻り長助は
直
(
たゞ
)
ちに訴訟書をぞ
認
(
したゝ
)
めける
總
(
すべ
)
て公事は訴状面に
依
(
よつ
)
て
善惡
(
ぜんあく
)
邪正
(
じやしやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
氏の人生を見る
眼
(
め
)
は
直
(
たゞ
)
ちにその底に横はつてゐる
眞髓
(
しんずゐ
)
を
捉
(
とら
)
へてしまひます。そして、それを
最
(
もつと
)
も
充實
(
じうじゆつ
)
した意味の短かさを以て
表現
(
へうげん
)
します。
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
藻西太郎は妻に代りて我身を捨んとまで決心したる男なれば倉子が放免せらるゝや
直
(
たゞ
)
ちに引取りて元の通りに妻とせり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
一
反
(
たん
)
以上
(
いじやう
)
貝
(
かひ
)
を
掘
(
ほ
)
り
取
(
と
)
つて
運
(
はこ
)
び
出
(
だ
)
してある。
其跡
(
そのあと
)
からは
清水
(
しみづ
)
が
湧出
(
ゆうしゆつ
)
して、
直
(
たゞ
)
ちに
田
(
た
)
に
入
(
い
)
る
程
(
ほど
)
低
(
ひく
)
くなつて
居
(
ゐ
)
る。
此所
(
こゝ
)
に
貝塚
(
かひづか
)
があらうとは、
今日
(
けふ
)
まで
知
(
し
)
らなかつた。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
独逸
(
ドイツ
)
に起りたる宗教改革の気運の漸くルーテルが硬直誠実なる大思想に熟せんとするや、至粋は
直
(
たゞ
)
ちに入つてルーテルの声に一種の霊妙なる威力を備へたり。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
見て
直
(
たゞ
)
ちに是れ詩人の哲学也と曰ひ明月や池を廻つて夜もすがらと歌ひし為めに芭蕉は斯の如き宗教を有すと断ぜんとす吾人は之が為めに長歎を発せざるを得ざる也。
凡神的唯心的傾向に就て
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
其の旨を御老中へ御沙汰に相成り、御老中から
直
(
たゞ
)
ちに町奉行へ伝達されましたから、筒井和泉守様は
雀躍
(
こおどり
)
するまでに喜ばれ、十一月二十九日に長二郎を始め
囚人
(
めしゅうど
)
玄石茂二作
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そしてローウッドで、私は、いつもよい生徒であり、よい教師であつた故に、監理者の署名した、人物と才能に就いての保證書を
直
(
たゞ
)
ちに與へるといふ保證が附け加へられた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
図
(
はか
)
らずも一大事の密書を手に入れて則重の身にかゝる
禍
(
わざわい
)
を未然に防ぎ得たのを喜び、
直
(
たゞ
)
ちに此のことを則重に告げるべきであり、それが又その場合の義務であったに
拘
(
かゝ
)
わらず
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
偕
(
とも
)
に
輦轂
(
れんこく
)
の
下
(
もと
)
に住んで、親しく政府の施設を見ようと云ふのである。二人の心底には、
秕政
(
ひせい
)
の根本を
窮
(
きは
)
めて、
君側
(
くんそく
)
の
奸
(
かん
)
を発見したら、
直
(
たゞ
)
ちにこれを除かうと云ふ企図が、早くも此時から
萌
(
きざ
)
してゐた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
山
(
やま
)
に
入
(
い
)
ると、
直
(
たゞ
)
ちに
猛獸
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
の
襲撃
(
しふげき
)
に
出逢
(
であ
)
ふだらうとは
兼
(
かね
)
ての
覺悟
(
かくご
)
であつたが、
此時
(
このとき
)
まで
其樣
(
そん
)
な
模樣
(
もやう
)
は
少
(
すこ
)
しも
見
(
み
)
えなかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さて松川に入塾して、
直
(
たゞ
)
ちに
不開室
(
あかずのま
)
を探検せんとせしが、不開室は密閉したるが上に板戸を
釘付
(
くぎづけ
)
にしたれば開くこと無し。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今度
(
こんど
)
は『
召上
(
めしあが
)
れ』と
書
(
か
)
いた
貼紙
(
はりがみ
)
がありませんでしたが、それにも
拘
(
かゝは
)
らず
愛
(
あい
)
ちやんは
栓
(
せん
)
を
拔
(
ぬ
)
いて
直
(
たゞ
)
ちに
唇
(
くちびる
)
に
宛
(
あ
)
てがひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
右
(
みぎ
)
の
文體
(
ぶんてい
)
也ければ
直
(
たゞ
)
ちに麹町三丁目町醫師村井長庵
呼出
(
よびだ
)
しの
差紙
(
さしがみ
)
を札の辻の町役人へ渡されければ
非番
(
ひばん
)
の家主
即時
(
そくじ
)
に麹町の名主の玄關へ持參なし
順序
(
じゆんじよ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
然れども人間の霊魂を建築せんとするの技師に至りては、其費やすところの労力は
直
(
たゞ
)
ちに有形の楼閣となりて、ニコライの高塔の如く衆目を引くべきにあらず。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
斯學
(
しがく
)
に
熱心
(
ねつしん
)
なる
公
(
こう
)
は、
焚火
(
たきび
)
にも
當
(
あた
)
られず、
直
(
たゞ
)
ちに
車夫
(
しやふ
)
を
指揮
(
さしづ
)
して、
余
(
よ
)
の
穴
(
あな
)
の
上部
(
じやうぶ
)
の
方
(
はう
)
で
發掘
(
はつくつ
)
を
始
(
はし
)
められた。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
斯
(
かく
)
の如く脩辞の問題盛んなると同時に美術的の文学(即ち狭義の文学)は
勃然
(
ぼつぜん
)
として起り来れり。
蓋
(
けだ
)
し脩辞を以て
直
(
たゞ
)
ちに文学の全躰なりとするものは未だ文学を解せざる者なり。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
給仕が心得て持来るを目科は受取るが
否
(
いな
)
直
(
たゞ
)
ちに其口なるコロップを抜き其封蝋の青き所を余に示してにッこと笑み、瓶は酒の入たる儘にて
幾法
(
いくふらん
)
の銀貨と共に
卓子
(
ていぶる
)
の上に残し置き
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「ビアンカ夫人、御指名とあらば、
直
(
たゞ
)
ちに。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
この
祠
(
ほこら
)
を
頂
(
いたゞ
)
く、
鬱樹
(
うつじゆ
)
の
梢
(
こずゑ
)
さがりに、
瀧窟
(
たきむろ
)
に
似
(
に
)
た
径
(
こみち
)
が
通
(
とほ
)
つて、
断崖
(
きりぎし
)
の
中腹
(
ちうふく
)
に
石溜
(
いしだま
)
りの
巌
(
いはほ
)
僅
(
わづか
)
に
拓
(
ひら
)
け、
直
(
たゞ
)
ちに、
鉄
(
くろがね
)
の
階子
(
はしご
)
が
架
(
かゝ
)
る
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
爪先
(
つまさき
)
で
立上
(
たちあが
)
り、
菌
(
きのこ
)
の
縁
(
ふち
)
を
殘
(
のこ
)
る
隈
(
くま
)
なく
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る
中
(
うち
)
、
端
(
はし
)
なくも
其
(
その
)
眼
(
め
)
は
直
(
たゞ
)
ちに
大
(
おほ
)
きな
青
(
あを
)
い
芋蟲
(
いもむし
)
の
眼
(
め
)
と
出合
(
であ
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此時
(
このとき
)
、
電光艇
(
でんくわうてい
)
は
遙
(
はる
)
かの
沖
(
おき
)
から
海岸
(
かいがん
)
に
近
(
ちかづ
)
き
來
(
きた
)
り、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は、
無事
(
ぶじ
)
に
一隊
(
いつたい
)
の
水兵
(
すいへい
)
と
共
(
とも
)
に
上陸
(
じやうりく
)
して
來
(
き
)
たので、
陸上
(
りくじやう
)
の
一同
(
いちどう
)
は
直
(
たゞ
)
ちに
其處
(
そこ
)
に
驅付
(
かけつ
)
けた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それが
彌生式
(
やよひしき
)
に
直
(
たゞ
)
ちに
結合
(
けつがふ
)
されるか
否
(
いな
)
かは、
未
(
いま
)
だ
斷言
(
だんげん
)
する
能
(
あた
)
はずだが、
特種
(
とくしゆ
)
の
貝塚
(
かひづか
)
が
有
(
あ
)
ると
認
(
みと
)
められた
上
(
うへ
)
は、それが
彌生式土器
(
やよひしきどき
)
に
多
(
おほ
)
く
關係
(
くわんけい
)
を
有
(
いう
)
して
居
(
ゐ
)
るとまでは
言
(
い
)
へるのである。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
と申さるゝ時麹町三丁目瀬戸物屋忠兵衞
直
(
たゞ
)
ちに白洲へ
呼込
(
よびこみ
)
と相成長庵の
側
(
かたは
)
らに
蹲踞
(
うづくま
)
る是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
洗礼を施さゞる悪しきにあらず、然れども洗礼を施さゞるを以て
直
(
たゞ
)
ちに基督の弟子となり了したりと思ふは大早計なり、
凡
(
すべ
)
て心の基督に通じたるとき、即ち心が基督の水に浴したる時
各人心宮内の秘宮
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
然れども彼れは哲学者の如く論理に因つて之を得ざるなり。彼れは論理以上の者を有す。彼れは論理の媒介に因つて天地を解釈せず。彼れは不思議なる直覚を以て
直
(
たゞ
)
ちに天地と人生とを見る。
詩人論
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
斯
(
かく
)
て生田は
直
(
たゞ
)
ちに牢屋へ入られしが
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
で、
直
(
たゞ
)
ちに
木材
(
もくざい
)
を
伐更
(
きりあらた
)
めて、
第二
(
だいに
)
の
像
(
ざう
)
を
刻
(
きざ
)
みはじめた。が、
又
(
また
)
此
(
こ
)
の
作
(
さく
)
に
対
(
たい
)
する
迫害
(
はくがい
)
は
一通
(
ひととほ
)
りではないのであつた。
猫
(
ねこ
)
が
来
(
き
)
て
踏
(
ふ
)
んで
行抜
(
ゆきぬ
)
ける、
鼠
(
ねずみ
)
が
噛
(
かじ
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
云
(
い
)
ふものは、
碌々
(
ろく/\
)
貝塚
(
かひづか
)
を
發掘
(
はつくつ
)
して
見
(
み
)
もせずに、
直
(
たゞ
)
ちに
地中
(
ちちう
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
知
(
し
)
つた
振
(
ふり
)
をして、
僅少
(
きんせう
)
なる
遺物
(
ゐぶつ
)
を
材料
(
ざいれう
)
に、
堂々
(
だう/\
)
たる
大議論
(
だいぎろん
)
を
並
(
なら
)
べ、
然
(
さ
)
うして
自個
(
じこ
)
の
學説
(
がくせつ
)
を
立
(
た
)
てるのに
急
(
きふ
)
な
人
(
ひと
)
が
無
(
な
)
いでも
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
ぐる/\と
急
(
いそ
)
いで
廻
(
まは
)
つて
取着
(
とつつ
)
いて
追
(
お
)
つて
上
(
のぼ
)
る。と
此
(
こ
)
の
矢間
(
やざま
)
の
月
(
つき
)
は
赤
(
あか
)
かつた。
魔界
(
まかい
)
の
色
(
いろ
)
であらうと
思
(
おも
)
ふ。が、
猶予
(
ためら
)
ふ
隙
(
ひま
)
もなく
直
(
たゞ
)
ちに
三階目
(
さんがいめ
)
を
攀
(
よ
)
ぢ
上
(
のぼ
)
る……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
吾
(
われ
)
聞
(
き
)
く、
魏
(
ぎ
)
の
明帝
(
めいてい
)
、
洛水
(
らくすゐ
)
に
遊
(
あそ
)
べる
事
(
こと
)
あり。
波
(
なみ
)
蒼
(
あを
)
くして
白獺
(
はくだつ
)
あり。
妖婦
(
えうふ
)
の
浴
(
よく
)
するが
如
(
ごと
)
く
美
(
び
)
にして
愛
(
あい
)
す
可
(
べ
)
し。
人
(
ひと
)
の
至
(
いた
)
るを
見
(
み
)
るや、
心
(
こゝろ
)
ある
如
(
ごと
)
くして
直
(
たゞ
)
ちに
潛
(
かく
)
る。
聞きたるまゝ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
用意
(
ようい
)
了
(
をは
)
れば
直
(
たゞ
)
ちに
走
(
はし
)
りて、
一本榎
(
いつぽんえのき
)
の
洞
(
うろ
)
より
數十條
(
すうじふでう
)
の
蛇
(
くちなは
)
を
捕
(
とら
)
へ
來
(
きた
)
り、
投込
(
なげこ
)
むと
同時
(
どうじ
)
に
目
(
め
)
の
緻密
(
こまか
)
なる
笊
(
ざる
)
を
蓋
(
おほ
)
ひ、
上
(
うへ
)
には
犇
(
ひし
)
と
大石
(
たいせき
)
を
置
(
お
)
き、
枯草
(
こさう
)
を
燻
(
ふす
)
べて、
下
(
した
)
より
爆※
(
ぱツ/\
)
と
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
けば
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
背後
(
うしろ
)
から
視
(
なが
)
めて
意気
(
いき
)
昂
(
あが
)
つて、
腕
(
うで
)
を
拱
(
こまぬ
)
いて、
虚空
(
こくう
)
を
睨
(
にら
)
んだ。
腰
(
こし
)
には、
暗夜
(
あんや
)
を
切
(
き
)
つて、
直
(
たゞ
)
ちに
木像
(
もくざう
)
の
美女
(
たをやめ
)
とすべき、
一口
(
ひとふり
)
の
宝刀
(
ほうたう
)
を
佩
(
お
)
びたる
如
(
ごと
)
く、
其
(
そ
)
の
威力
(
ゐりよく
)
に
脚
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
胸
(
むね
)
を
反
(
そ
)
らした。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
一寸
(
ちよつと
)
横顏
(
よこがほ
)
を
旦那
(
だんな
)
の
方
(
はう
)
に
振向
(
ふりむ
)
けて、
直
(
す
)
ぐに
返事
(
へんじ
)
をした。
此
(
こ
)
の
細君
(
さいくん
)
が、
恁
(
か
)
う
又
(
また
)
直
(
たゞ
)
ちに
良人
(
をつと
)
の
口
(
くち
)
に
應
(
おう
)
じたのは、
蓋
(
けだ
)
し
珍
(
めづら
)
しいので。……
西洋
(
せいやう
)
の
諺
(
ことわざ
)
にも、
能辯
(
のうべん
)
は
銀
(
ぎん
)
の
如
(
ごと
)
く、
沈默
(
ちんもく
)
は
金
(
きん
)
の
如
(
ごと
)
しとある。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨戸
(
あまど
)
を一
枚
(
まい
)
ツト
開
(
あ
)
けると、
直
(
たゞ
)
ちに、
東西南北
(
とうざいなんぼく
)
へ五
里
(
り
)
十
里
(
り
)
の
眞白
(
まつしろ
)
な
山
(
やま
)
であるから。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
既
(
すで
)
に
獻立
(
こんだて
)
して
待
(
ま
)
ちたれば
直
(
たゞ
)
ちに
膳部
(
ぜんぶ
)
を
御前
(
ごぜん
)
に
捧
(
さゝ
)
げつ。「いま
一膳
(
いちぜん
)
はいかゞ
仕
(
つかまつ
)
らむ」と
伺
(
うかゞ
)
へば、
幼君
(
えうくん
)
「さればなり
其
(
その
)
膳
(
ぜん
)
は
籠
(
かご
)
の
中
(
なか
)
に
遣
(
つか
)
はせ」との
御意
(
ぎよい
)
、
役人
(
やくにん
)
訝
(
いぶか
)
しきことかなと
御顏
(
おんかほ
)
を
瞻
(
みまも
)
りて
猶豫
(
ためら
)
へり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
積薪
(
せきしん
)
思
(
おも
)
はず
悚然
(
ぞつ
)
として、
直
(
たゞ
)
ちに
衣冠
(
いくわん
)
を
繕
(
つくろ
)
ひ、
若
(
わか
)
き
婦
(
よめ
)
は
憚
(
はゞかり
)
あり、
先
(
ま
)
ず
姑
(
しうと
)
の
閨
(
ねや
)
にゆき、もし/\と
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けて、さて、
一石
(
いつせき
)
願
(
ねが
)
ひませう、と
即
(
すなは
)
ち
嗜
(
たしな
)
む
處
(
ところ
)
の
嚢
(
ふくろ
)
より
局盤
(
きよくばん
)
の
圖
(
づ
)
を
出
(
いだ
)
し、
黒白
(
こくびやく
)
の
碁子
(
きし
)
を
以
(
もつ
)
て
姑
(
しうと
)
と
戰
(
たゝか
)
ふ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
都人士
(
とじんし
)
もし
此事
(
このこと
)
を
疑
(
うたが
)
はば、
請
(
こ
)
ふ
直
(
たゞ
)
ちに
來
(
きた
)
れ。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“直”の意味
《名詞》
(じき)
(じか)
(あたい/あたえ 歴史的仮名遣い:あたひ/あたへ)古代日本において、県主等に与えられた姓。
(すぐ)将棋の棋譜での用語で、駒をまっすぐ前に進めること。
《形容動詞》
(じき)短い期間のうちに、すぐにと言うわけではないが、そうなるまでに大きな変化はなく。
(出典:Wiktionary)
直
常用漢字
小2
部首:⽬
8画
“直”を含む語句
正直
直接
直下
素直
真直
直道
直立
驀直
強直
直衣
眞直
立直
硬直
直角
御直
直後
直面
宿直
直々
直截
...