“直下”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じきげ29.2%
すぐした25.0%
じか16.7%
ちよつか4.2%
ちょっか4.2%
ちよくか4.2%
ぢきげ4.2%
ねさ4.2%
ました4.2%
チヨクカ4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は直下じきげに、立本寺りゅうほんじの門前を、ありありと目に浮かべた。そうして、それと共に、恐ろしい疑惑が、突然として、彼を脅かした。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
うれい重荷おもにうて直下すぐしたに働いて居る彼爺さん達、彼処あち此処こちに鳶色にこがれたけやきの下かしの木蔭に平和を夢みて居る幾個いくつ茅舎ぼうしゃ
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
眉深まぶかに鳥打帽をかぶっても、三日月形みかづきがたひさしでは頬から下をどうする事もできないので、直下じかりつけられる所は痛いくらいほてる。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もし震原しんげん直下ちよつかでなかつたならば、震原しんげんたいして水平すいへい方向ほうこうにも距離きよりくははつてるから、距離きよります/\とほくなるわけである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「尽界はすべて客塵かくじんなし、直下ちょっかさらに第二人あらず。」すなわち、われに対する客体も、我に対するかれなんじもない。従って我が悉有を認識する、というごときことは全然不可能である。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
木造家屋内もくぞうかおくないにてはけたはりしたけること、また洋風建物内ようふうたてものないにては、張壁はりかべ煖爐用煉瓦だんろようれんが煙突えんとつとうちてさうなところけ、むをざれば出入口でいりぐち枠構わくがまへの直下ちよくかせること。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
予が生存すべき僅少なる時間は、直下ぢきげに予を駆りて、予が殺人の動機と実行とを叙し、更に進んで予が殺人後の奇怪なる心境に言及せしめずんば、已まざらんとす。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
諸国和製砂糖殖え立、旧冬より直段ねだんはたと下落致し、当分に至り、猶以て、直下ねさげの方に罷成り
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
ムルデの河波は窓の直下ましたのいしづゑを洗ひて、むかひの岸の草むらは緑まだあせず。そのうしろなるかしわの林にゆふもやかかれり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
又ふり立てる事を比喩にとつて言へば、其白馬の耳の如く、益年高く、天の直下チヨクカの国をお治めなさる事の兆し、又この白いクグヒの活けた貢物のおソバのお手馴テナれの魂移タマウツしの道具となつてある為に
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)