“細君”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さいくん83.3%
かない3.9%
おくさん2.0%
かみ2.0%
にょうぼう1.0%
おかみ1.0%
おかみさん1.0%
おとき1.0%
かみさま1.0%
かみさん1.0%
つま1.0%
フラウ1.0%
レコ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「まあ、そう悪く云うなよ、可愛い男じゃないか、あんな男は家を持ったら、家のことはきちんとするよ、細君さいくんになる者は安心だよ」
雨夜続志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私の家は、私と、細君かないと、それから弟が一人あって、その弟は、今度の戦役に従軍して、金鵄きんし勲章ももらっておりますが、べつに他人ひとさまから、家庭のことを
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
父はじろりと母を見てからからと笑いながら「なあ難波君、学問の出来でく細君おくさんは持つもんじゃごわはん、いやさんざんな目にあわされますぞ、あはははは」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
今の身分ぢや兎ても先生のお細君かみさんなどに成れぬから、矢張三年行つて來るのが第一だとも考へる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「なにって、家の旦那さまが、家の細君にょうぼうの往くさきぐらい、聞いたっていいじゃないかとおっしゃるのだよ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「どうの、こうのって、大将、彼奴の細君おかみさんが」声を落して、「男をれて来てるのだぜ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
お倉さんとは誰の事だ女「藻西太郎さんの細君おかみさんです、実に奇麗な女ですよ。 ...
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
って這入れと勧めるから、両人共ふたりとも加入はいりました、其時、細君おときが、保険をつけると殺される事があると言ったのが原因もとで、大喧嘩をして、お叱りを受けたことがあります。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
淵瀬の以前むかし知らぬ人も気の毒がり、水臭からぬ隣の細君かみさま、お秋が提ぐる手桶の、重さうなるを、助けて運びくるる事もあり。
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
火が出ると、間も無く近所に居たと云う、亭主の勝次郎は、駆けつけて来たが、細君かみさんのお時の姿が見えない。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
一生の重荷となれば、憎くもなり、はふりだしたくなる方が道理で、これは『細君つま』であるからの退屈ではない。花火的の情熱の對手あひてなら、猶更その負擔と欠伸は早く來る。
こんな二人 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
……俺に言わせると、危険なのは君の情況シチュエシヨンでなくて君が本気で細君フラウを愛しはじめたことなんだ。君がひとりで逃げようとするなら、それは実に易々たる問題なんだからな。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「早瀬の細君レコはちょうど(二十はたち)と見えるが三だとサ、その年紀としで酸漿を鳴らすんだもの、大概素性も知れたもんだ、」と四辺あたり近所は官員つとめにんの多い、屋敷町の夫人おくさま連が風説うわさをする。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)