“出逢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
であ81.1%
でっくわ4.5%
であい3.6%
いであ2.7%
でく2.7%
でつく1.8%
いであひ0.9%
であふ0.9%
でお0.9%
でくわ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その途中の甚だ乱雑なのに驚かされたが、低い梯子段はしごだんのあがり口で、かの守田勘弥かんや出逢であうと、きょうもやはり丁寧に挨拶していた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「勇、あの男を追っかけるんだ、それから、一番先に出逢でっくわした自動車を呼んで、霞門の外で待って貰うんだ」
踊る美人像 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
お前が言う通り、桜井がこの節は毎日のように乃公の留守を附狙つけねらって入込むという証拠には、どうだ二人で出逢であいをしているところを乃公に見せてはくれまいか。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
香のする花の咲き軟かな草のしげつて居る広野を愉快たのしげに遊行ゆきやうしたところ、水は大分に夏の初め故れたれど猶清らかに流れて岸を洗ふて居る大きな川に出逢いであふた
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
下手な謡曲などをうなって、一文二文の合力に命を繋ぐより、思い切った敵討にでも出逢でくわして、威勢よく死んでしまえ——。
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「それくらゐ押が強くないと、結構な花見は出來ませんよ、——ところで、その氣で上野へ出かけると、山下で大變なものに出逢でつくはしたんで」
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
立退たちのき江戸表へ罷り出候途中熊谷の土手にて惡漢わるものの爲めに我々兩人既に一命も危ふき難儀に出逢いであひ候處丸龜の人後藤半四郎と云ふ人に救れ夫より身の落着方まで世話せわに相成當時は馬喰町にて紙屑買かみくづかひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ゆくは不用心なりはや今日も申刻なゝつさがりゆえあすの朝早く出立して參るべしと種々にとゞめけれ共半四郎は殊に大力と云氣象きしやうすぐれたれば一向承知せず必らず御案事あるな萬一もし途中とちうにて追剥おひはぎなど出逢であふ事あらば打倒して仕舞ふ分なり少しもかま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
悲しくつらく玉の緒も断えんばかりにあやうかりし悲惨を免れてわずかに安全の地に、なつかしい人に出逢でおうた心持ちであろう。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「そうですか、じゃ、また途中で出逢でくわすかも知れねえね」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)