トップ
>
鼻頭
>
はなさき
ふりがな文庫
“
鼻頭
(
はなさき
)” の例文
さて、明くる朝、定めの家に六人集って見ると、六人が六人とも、
鼻頭
(
はなさき
)
をそぎ取られていて、満足の顔の者は一人もないのであった。
怪異暗闇祭
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
与
(
く
)
れ!」と
渠
(
かれ
)
はその
掌
(
てのひら
)
を学生の
鼻頭
(
はなさき
)
に
突出
(
つきいだ
)
せり。学生は
直
(
ただち
)
にパイレットの
函
(
はこ
)
を投付けたり。
渠
(
かれ
)
はその一本を
抽出
(
ぬきいだ
)
して、
燐枝
(
マッチ
)
を
袂
(
たもと
)
に
捜
(
さぐ
)
りつつ
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
男は晩方になると近所の洗湯へ入って額や
鼻頭
(
はなさき
)
を光らせて帰って来たが、夜は
寄席
(
よせ
)
入りをしたり、公園の矢場へ入って、
楊弓
(
ようきゅう
)
を引いたりした。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
油汗を
鼻頭
(
はなさき
)
ににじませて、
下唇
(
したくちびる
)
を喰締めながら、暫らくの間
口惜
(
くちお
)
しそうに昇の馬鹿笑いをする顔を
疾視
(
にら
)
んで黙然としていた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
犬は主人の同類がやって来たのを見ると、嬉しがって、少し元気よく吠えて
鼻頭
(
はなさき
)
を
摺
(
なす
)
りつけるようにした。
幻想
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
▼ もっと見る
壁の上よりは、ありとある弓を伏せて
蝟
(
い
)
の如く寄手の
鼻頭
(
はなさき
)
に、
鉤
(
かぎ
)
と曲る
鏃
(
やじり
)
を集める。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
有合ふ
仕込杖
(
しこみつゑ
)
を抜放し、おのれ
還
(
かへ
)
らずば生けては還さじと、二尺
余
(
あまり
)
の白刃を
危
(
あやふ
)
く突付けて
脅
(
おびやか
)
せしを、その
鼻頭
(
はなさき
)
に
待
(
あしら
)
ひて
愈
(
いよい
)
よ動かざりける
折柄
(
をりから
)
、来合せつる壮士三名の乱拳に囲れて門外に突放され
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「
真実
(
ほんと
)
に……。」と
鼻頭
(
はなさき
)
で笑って、「和泉屋の野郎、よけいなことばかり
弁
(
しゃべ
)
りやがって、
彼奴
(
あいつ
)
に
私
(
あっし
)
が何の厄介になった。干渉される
謂
(
い
)
われはねえ。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
狸穴
(
まみあな
)
の狸じゃないが、一本松の幹の中へ入った気で居て、それに供えるという処から、入りしなに
壜
(
びん
)
に詰めた白いのを、
鼻頭
(
はなさき
)
で掻分けたつもりで居る。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼻をやつままむ眼をやおさむとまたつくづくと
打
(
うち
)
まもりぬ。ふとその
鼻頭
(
はなさき
)
をねらひて手をふれしに
空
(
くう
)
を
捻
(
ひね
)
りて、うつくしき人は
雛
(
ひな
)
の如く顔の
筋
(
すじ
)
ひとつゆるみもせざりき。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼻をやつままむ眼をやおさむとまたつくづくと
打
(
うち
)
まもりぬ。ふとその
鼻頭
(
はなさき
)
をねらいて手をふれしに
空
(
くう
)
を
捻
(
ひね
)
りて、うつくしき人は
雛
(
ひな
)
のごとく顔の筋ひとつゆるみもせざりき。
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
石頭
(
いしあたま
)
に
角
(
かど
)
のある、
大出額
(
おほおでこ
)
で、
口
(
くち
)
を
逆
(
さかさ
)
のへの
字
(
じ
)
に、
饒舌
(
おしやべり
)
をムツと
揉堪
(
もみこた
)
へ、
横撫
(
よこな
)
でが
癖
(
くせ
)
の
鼻頭
(
はなさき
)
をひこつかせて、こいつ、
日暮里
(
につぽり
)
の
煙
(
けむり
)
より、
何處
(
どこ
)
かの
鰻
(
うなぎ
)
を
嗅
(
か
)
ぎさうな、
團栗眼
(
どんぐりまなこ
)
がキヨロリと
光
(
ひか
)
つて
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と変な手つき、にゅうと女中の
鼻頭
(
はなさき
)
へ突出して
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼻
常用漢字
小3
部首:⿐
14画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“鼻”で始まる語句
鼻
鼻緒
鼻汁
鼻唄
鼻面
鼻梁
鼻息
鼻孔
鼻腔
鼻先