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こつずい
ふりがな文庫
“
骨髄
(
こつずい
)” の例文
旧字:
骨髓
御友情のほど、
骨髄
(
こつずい
)
に徹するほど、ありがたく思います。お礼のことばもない。ただこの上は、幸いに、なお生きることを得た生命を
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
師の教えのありがたさは
骨髄
(
こつずい
)
に徹して感じられたが、それでもなおどこか釈然としないものを残したまま、悟浄は、師のもとを辞した。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「工夫とては更にござりませぬ、ただこの太刀先に
柄
(
つか
)
も
拳
(
こぶし
)
も我が身も魂も打込めて、彼が
骨髄
(
こつずい
)
を突き
貫
(
ぬ
)
く覚悟でござります」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と言うのは、夢中ながら、男を斬った心持が、
骨髄
(
こつずい
)
に徹して忘れられん。……思い出すと、何とも言えず、肉が動く、
血汐
(
ちしお
)
が
湧
(
わ
)
く、筋が離れる。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「三
国
(
ごく
)
干渉
(
かんしょう
)
遼東
(
りょうとう
)
還附
(
かんぷ
)
以来
(
いらい
)
、
恨
(
うら
)
み
骨髄
(
こつずい
)
に
徹
(
てっ
)
しているんだ。理窟も
糸瓜
(
へちま
)
もあるものか?」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
当たった時は驚いたものの、それほどでもないと思っていたのが、だんだん時を
経
(
ふ
)
るに連れて
骨髄
(
こつずい
)
に透って耐え難い。彼はとうとう唸り出した。いかに勇士と云ったところで前髪立ちのまだ若衆。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
俊寛 わしのこの、この
骨髄
(
こつずい
)
に
徹
(
てっ
)
する
恨
(
うら
)
みをどうするのだ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
与七が怨み
骨髄
(
こつずい
)
に徹するのはそのためだったのです。
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
同時に、お通に対しての、飽くなきおばばが迫害を、
骨髄
(
こつずい
)
から憎んで、忘れかけていた数々の口惜しさまでを新たに思い出した。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
匈奴
(
きょうど
)
の
右校王
(
うこうおう
)
たる
李陵
(
りりょう
)
の心はいまだにハッキリしない。母妻子を
族滅
(
ぞくめつ
)
された
怨
(
うら
)
みは
骨髄
(
こつずい
)
に徹しているものの、
自
(
みずか
)
ら兵を率いて漢と戦うことができないのは、先ごろの経験で明らかである。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
と赤羽君は腕
捲
(
まく
)
りをした。
恨
(
うらみ
)
骨髄
(
こつずい
)
に徹している。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いま誓約を捨てて悲境の彼を攻めても、もしなお、彼がよくここを生き抜くときは、
骨髄
(
こつずい
)
のうらみをもって、将来長くわれを
仇
(
あだ
)
するに至ろう。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
恨
(
うらみ
)
骨髄
(
こつずい
)
に徹しているね」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
見ると空の
黒鷲
(
くろわし
)
、その
翼
(
つばさ
)
にひそんでいるのは、呂宋兵衛がうらみ
骨髄
(
こつずい
)
にてっしている
鞍馬
(
くらま
)
の
小童
(
こわっぱ
)
。
丹羽昌仙
(
にわしょうせん
)
はきッと見て
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いかんせん、
鏃
(
やじり
)
にも槍にも、毒が塗ってあったようです。毒が
骨髄
(
こつずい
)
にしみとおっていなければよろしいが……?」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのときの織田方の仕方を、ゆるすべからざる不信義、また無情なりとして、以来、原平内の信長にたいする恨みというものは
骨髄
(
こつずい
)
に徹していたのである。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
権柄
(
けんぺい
)
や無情な
笞
(
しもと
)
が、身の皮に肉に
骨髄
(
こつずい
)
に、どういう味がするものか、路傍の犬が人の手の小石を見るときのように、さんざん知って来ているからであった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして織田の将士に、強い
敵愾心
(
てきがいしん
)
と多年の訓練とを、
骨髄
(
こつずい
)
にまで、植えこんでおいてくれたものである。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
という謙信の信条が、全家中の
骨髄
(
こつずい
)
に
刻
(
きざ
)
みこまれていた。火の玉のような一団の信念になっていた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「けれど、それは、調和、調味というもの。
骨髄
(
こつずい
)
には、独自のものを、生まねば、絵師とはいえぬ」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
骨髄
(
こつずい
)
から滲み出して面にたたえる彼への憎悪と、警戒と、そして忘れ難い怨みに燃える眼は、到底、不死人がいたずらに努めている煽動の眼などとは比較にならないものである。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「知れたものだ。彼らは筑紫武者の
骨髄
(
こつずい
)
を知っていない。来れば思い知らせてやる」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わかりました。野郎には、遺恨
骨髄
(
こつずい
)
、どうでも、そういうことにいたしましょう」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
関ヶ原から村へ帰った後にうけた
仕打
(
しうち
)
の憎さは、いちいち
骨髄
(
こつずい
)
に徹しているが、由来この婆には、勝てないものという幼い時からの癖がついているので、
時経
(
ときた
)
てば、あの時の無念さも
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
血はながれて白髯に染み、肉はやぶれて
骨髄
(
こつずい
)
も
挫
(
くだ
)
けたろうと思われた。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
顔を見ると、
骨髄
(
こつずい
)
に抑えているものが、むらっと、うごいて来る。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は官兵衛のぼうぼうたる髯やこけ落ちた頬に悲しむのではなく、その心中に
哭
(
な
)
かされるのであった。武門の信義を守りとおすことの並々ならぬものを同じ武門の将として
骨髄
(
こつずい
)
から思い知るのだった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もとより
骨髄
(
こつずい
)
に徹する恨みを、はらさんがためでござる。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“骨髄”の意味
《名詞》
骨の中の空所を満たす柔軟な組織。
(比喩)心の奥底。精神的な基礎。
(比喩)要点。主眼。真髄。
(出典:Wiktionary)
“骨髄”の解説
骨髄(こつずい、英語:bone marrow)は、骨の中心部に存在する柔組織である。骨髄には、大きく分けて2種類の細胞がある。血液の細胞とそれを支持する間質細胞である。
(出典:Wikipedia)
骨
常用漢字
小6
部首:⾻
10画
髄
常用漢字
中学
部首:⾻
19画
“骨”で始まる語句
骨
骨董
骨牌
骨折
骨董屋
骨董品
骨肉
骨柄
骨頂
骨骼