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饗應
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きやうおう
語れば彌次六は先年の事を思出し
早速出
迎へ能こそ御
尋ね下されしと夫より
種々の
饗應に手を
盡しける天一坊は大膳を
早速藥を
調合し、
土地の
醫者に
方劑を
授けたが、
其の
夜玄竹は、
塔頭の
梅の
坊といふのへ
案内されて、
精進料理の
饗應を
受け、
下男とともに一
泊して、
翌朝歸ることになつた。
寺でも
主簿の
御參詣だと
云ふので、おろそかにはしない。
道翹と
云ふ
僧が
出迎へて、
閭を
客間に
案内した。さて
茶菓の
饗應が
濟むと、
閭が
問うた。「
當寺に
豐干と
云ふ
僧がをられましたか。」
其間、
正午になつたので、
一先づ
座敷へ
引揚げ、
晝餐の
饗應を
受け、それから
又發掘に
掛つたが、
相變らず
破片が
出る
位。
漸くそれでも
鯨骨の
一片と、
石槌、
打石斧、
石皿の
破片など
掘出した。
敬まふ事大方ならず今日
計ずも伊賀亮の
來訪に
預かれば自身に出迎ひて
座敷へ
請じ久々にての對面を喜び種々
饗應して
四方山の
物語りには及べり天忠言葉を
得し上
此方より申上べし
先夫れ迄は
當表に
御逗留緩々御遊覽有べき樣
言上せらるべし
御證據の品々は
先御納下さるべしと伊賀亮へ
返しぬ是より種々
饗應に及び其日の八つ
過に
御歸館を