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きやうおう
寺でも
主簿の
御參詣だと
云ふので、おろそかにはしない。
道翹と
云ふ
僧が
出迎へて、
閭を
客間に
案内した。さて
茶菓の
饗應が
濟むと、
閭が
問うた。「
當寺に
豐干と
云ふ
僧がをられましたか。」
其間、
正午になつたので、
一先づ
座敷へ
引揚げ、
晝餐の
饗應を
受け、それから
又發掘に
掛つたが、
相變らず
破片が
出る
位。
漸くそれでも
鯨骨の
一片と、
石槌、
打石斧、
石皿の
破片など
掘出した。
使ひの男は寿枝の
饗応に恐縮して帰つた。