“ちそう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
馳走92.5%
地層3.0%
饗応2.3%
稚僧0.8%
地相0.8%
癡想0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
飯を食べて行きなさい、と云われ、初めて昼になったことに気がついた。昼飯を馳走ちそうになり、彦太郎は阿部と一緒に赤瀬の家を出た。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
ここはあつ立派りっぱ地層ちそうで、百二十万年まんねんぐらい前にできたという証拠しょうこもいろいろあがるけれども、ぼくらとちがったやつからみてもやっぱりこんな地層ちそうに見えるかどうか、あるいは風か水や
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
八郎は家臣に伴れられて母屋へ引返し、其処で酒の饗応ちそうになって再び離屋へ送られた。離屋では病人が短檠の灯に照らされて寂莫としていた。
人面瘡物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「——それだけなら、何もたいして、騒ぐこともないが、近ごろ、チラと聞くところによると、座主は、何と心得ているのか、あのわずか十歳の稚僧ちそうに、授戒入壇じゅかいにゅうだんの式を、許されるという噂なのだ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ、去年の十二月に、ふもとから、よたよた這い上がった十歳の稚僧ちそうに、突如として、これを授けるとは何事だ。依怙えこにも、ほどがある。私情をもって、大法をみだすといわれても、いい開きはあるまい。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地相ちそう岩脈がんみゃく山骨さんこつ樹姿じゅし、それらのものからよくると、どんなかくし道でもかならずわかるわけでございます。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中庸ちゅうよう地相ちそうくるわをひかえ、梅沢うめざわのすそに出丸でまるをきずき、大丹波おおたんばには望楼ぼうろうをおき、多摩たま長流ちょうりゅうほりとして、沢井さわい二俣尾ふたまたお木戸きどをそなえれば、武蔵野原むさしのはらつる兵もめったに落とすことはできない
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
酒後に英雄多く、死前に豪傑すくなきは、世間の常態なるが、太祖は是れしん豪傑、生きて長春不老の癡想ちそういだかず、死して万物自然の数理に安んぜんとす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)