饗応ちそう)” の例文
旧字:饗應
監物の一行はその夜戸波へはの村役人の家へ一泊した。村役人の表座敷には遅くまで灯が灯って、監物一行が酒の饗応ちそうになっていた。
不動像の行方 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
八郎は家臣に伴れられて母屋へ引返し、其処で酒の饗応ちそうになって再び離屋へ送られた。離屋では病人が短檠の灯に照らされて寂莫としていた。
人面瘡物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
朝飯の饗応ちそうになって一休みした八郎が出発しようとすると、病人は家来の一人に唐渡の香箱と硯を持って来さして、それを八郎の前へ出した。
人面瘡物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
公園の附近に網を張ってわかい女をねらっているこの悪漢は、今晩誘拐して来た女を、清水屋という怪しい家へ渡すことにしてそこで酒の饗応ちそうになって帰って来たところであった。
女の首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)