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饒
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ゆたか
ふりがな文庫
“
饒
(
ゆたか
)” の例文
いま一
本
(
もと
)
の樹の、
果
(
み
)
饒
(
ゆたか
)
にして盛なる枝我にあらはる、また我この時はじめてかなたにめぐれるなればその處甚だ遠からざりき 一〇三—一〇五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
正にこれ、
垠
(
はてし
)
も知らぬ失恋の
沙漠
(
さばく
)
は、
濛々
(
もうもう
)
たる眼前に、
麗
(
うるはし
)
き一望のミレエジは清絶の光を放ちて、
甚
(
はなは
)
だ
饒
(
ゆたか
)
に、甚だ
明
(
あきら
)
かに浮びたりと謂はざらん
哉
(
や
)
。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
二
年
(
ねん
)
このかた、
地方自治体
(
ちほうじちたい
)
はようよう
饒
(
ゆたか
)
になったので、その
管下
(
かんか
)
に
病院
(
びょういん
)
の
設立
(
たて
)
られるまで、
年々
(
ねんねん
)
三百
円
(
えん
)
ずつをこの
町立病院
(
ちょうりつびょういん
)
に
補助金
(
ほじょきん
)
として
出
(
だ
)
すこととなり
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
余が今見た影法師も、ただそれきりの現象とすれば、
誰
(
だ
)
れが見ても、
誰
(
だれ
)
に聞かしても
饒
(
ゆたか
)
に詩趣を帯びている。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人間衣食住の需用を論じこれを製しこれを
易
(
か
)
え、これを集め、これを散じ、人の知識礼義を進めて需用の物を
饒
(
ゆたか
)
にする
所以
(
ゆえん
)
を説き、これを大にすれば一国政府の出納
学校の説:(一名、慶応義塾学校の説)
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
僕の知れる老人に
滑稽
(
こっけい
)
趣味に
饒
(
ゆたか
)
なものがあった。封建時代には
従者
(
じゅうしゃ
)
や出入りの者に勝手に新しき名をつけることは普通であったから、この老人もまた種々な名を出入りの者どもにつけた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ちらちらと
饒
(
ゆたか
)
に残光を保つ明け方の星空の元に、山刀や弁当の包を太縄で結わえ付けた幾つもの男達の空車の歯が、からからと音を立てて、やがて次の村落の方へ消えて行くと、跡は森閑として
かやの生立
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
露國
(
ロコク
)
は
政治上
(
せいぢぜう
)
に
立
(
たち
)
て
世界
(
せかい
)
に
雄視
(
ゆうし
)
すと
雖
(
いへど
)
もその
版圖
(
はんと
)
の
彊大
(
きようだい
)
にして
軍備
(
ぐんび
)
の
充實
(
じゆうじつ
)
せる
丈
(
だけ
)
に、
民人
(
みんじん
)
の
幸福
(
こうふく
)
は
饒
(
ゆたか
)
ならず、
貴族
(
きぞく
)
と
小民
(
せうみん
)
との
間
(
あいだ
)
に
鐵柵
(
てつさく
)
の
設
(
もう
)
けらるゝありて、
自
(
おのづ
)
からに
平等
(
びようどう
)
を
苦叫
(
くけう
)
する
平民
(
へいみん
)
の
聲
(
こゑ
)
を
起
(
おこ
)
し
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
檜葉
(
ひば
)
、
樅
(
もみ
)
などの古葉貧しげなるを望むべき窓の外に、庭ともあらず打荒れたる広場は、唯
麗
(
うららか
)
なる日影のみぞ
饒
(
ゆたか
)
に
置余
(
おきあま
)
して、そこらの梅の
点々
(
ぼちぼち
)
と咲初めたるも、
自
(
おのづか
)
ら怠り勝に
風情
(
ふぜい
)
作らずと見ゆれど
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
二
年
(
ねん
)
此方
(
このかた
)
、
地方自治體
(
ちはうじちたい
)
はやう/\
饒
(
ゆたか
)
になつたので、
其管下
(
そのくわんか
)
に
病院
(
びやうゐん
)
の
設立
(
たて
)
られるまで、
年々
(
ねん/\
)
三百
圓
(
ゑん
)
づつを
此
(
こ
)
の
町立病院
(
ちやうりつびやうゐん
)
に
補助金
(
ほじよきん
)
として
出
(
だ
)
す
事
(
こと
)
となり、
病院
(
びやうゐん
)
では
其
(
そ
)
れが
爲
(
ため
)
に
醫員
(
いゐん
)
を
一人
(
ひとり
)
増
(
ま
)
す
事
(
こと
)
と
定
(
さだ
)
められた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
饒
漢検1級
部首:⾷
21画
“饒”を含む語句
饒舌
豊饒
饒舌家
富饒
饒速日
余饒
饒地
豐饒
沃饒
饒多
饒速日命
饒津
早饒舌
饒舌娘
上饒
上饒江
饒足
饒舌録
饒舌続
饒舌箱
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