革紐かはひも)” の例文
そのくるま手長蜘蛛てながぐもすね天蓋てんがい蝗蟲いなごはねむながい姫蜘蛛ひめぐもいと頸輪くびわみづのやうなつき光線ひかりむち蟋蟀こほろぎほねその革紐かはひもまめ薄膜うすかは
汝の願ひの一部は滿つべし、そは汝けづられし木を見、何故に革紐かはひもまとふ者が「迷はずばよくゆるところ」と 一三六—一三八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
欣之介のゐる離家はなれの横手にある灰汁柴あくしばの枝々の先端さきへ小さな粒々の白い花が咲き出した頃の或る日暮方、革紐かはひもで堅くゆはへた白いズックのかばんが一つ、その灰汁柴の藪蔭やぶかげに置いてあつた。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
麦稈帽むぎわらぼう鷲掴わしづかみに持添もちそへて、ひざまでの靴足袋くつたびに、革紐かはひもかたくかゞつて、赤靴あかぐつで、少々せう/\抜衣紋ぬきえもん背筋せすぢふくらまして——わかれとなればおたがひに、たふげ岐路えだみち悄乎しよんぼりつたのには——汽車きしやからこぼれて
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
定刻ていこくになつて、代助は出掛でかけた。足駄穿あしだばき雨傘あまがさげて電車につたが、一方のまどつてあるうへに、革紐かはひもにぶらがつてゐるひとが一杯なので、しばらくするとむねがむかついて、あたまおもくなつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おほきものぶくろと、小革鞄こかばん一所いつしよに、片手掴かたてづかみに引下ひきおろしたのは革紐かはひも魔法罎まはふびん
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)