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雨上
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あまあが
ふりがな文庫
“
雨上
(
あまあが
)” の例文
そこで、大好きな田圃の中でも、
選分
(
えりわ
)
けて、あの、ちょろちょろ川が嬉しい。
雨上
(
あまあが
)
りにちっと水が
殖
(
ふ
)
えて、畔へかかった処が無類で。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
唯
雨上
(
あまあが
)
りの瓦屋根だの、火のともらない
御神燈
(
ごしんとう
)
だの、花の
凋
(
しぼ
)
んだ朝顔の鉢だのに「浅草」の作者
久保田万太郎
(
くぼたまんたらう
)
君を感じられさへすれば
好
(
よ
)
いのである。
野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あたしは
雨上
(
あまあが
)
りに三枚橋下へ小魚を
掬
(
すく
)
いにいったり、山内へ
椎
(
しい
)
の実を拾いにいって、夜になるとおばあさんの不思議な話をききながら
煎
(
い
)
ってもらって、椎の実の味を知った。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
伝右衛門は慌てて
其辺
(
そこら
)
の
掛茶屋
(
かけぢやや
)
に駈け込んで
雨上
(
あまあが
)
りを待つ事にした。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
前に青竹の
埒
(
らち
)
を
結廻
(
ゆいまわ
)
して、その筵の上に、大形の古革鞄ただ
一個
(
ひとつ
)
……
眗
(
みまわ
)
しても
視
(
なが
)
めても、
雨上
(
あまあが
)
りの
湿気
(
しけ
)
た
地
(
つち
)
へ、
藁
(
わら
)
の
散
(
ちら
)
ばった
他
(
ほか
)
に何にも無い。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
白は客の顔を
映
(
うつ
)
している
理髪店
(
りはつてん
)
の鏡を恐れました。
雨上
(
あまあが
)
りの空を映している
往来
(
おうらい
)
の水たまりを恐れました。往来の若葉を映している
飾窓
(
かざりまど
)
の
硝子
(
ガラス
)
を恐れました。
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雨上
(
あまあが
)
りの
広田圃
(
ひろたんぼ
)
を見るような、
鮒
(
ふな
)
と
鰌
(
どじょう
)
の洪水めいたが、そのじめじめとして、陰気な、湿っぽい、ぬるぬるした、不気味さは、
大河
(
おおかわ
)
の
出水
(
でみず
)
の
凄
(
すご
)
いに
増
(
まさ
)
る。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
後
(
うし
)
ろに見えるのは
雨上
(
あまあが
)
りの
水田
(
すゐでん
)
、水田の向うは松山でございます。どうか松山の空にかかつた、かすかな
虹
(
にじ
)
も御覧下さい。その下には聖霊を現す為に、
珠数懸
(
じゆずか
)
け
鳩
(
はと
)
が一羽飛んで居ります。
わが散文詩
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
左
(
ひだり
)
の
袂
(
たもと
)
がびり/\と
裂
(
さけ
)
てちぎれて
取
(
とれ
)
たはづみをくつて、
踏占
(
ふみし
)
めた
足
(
あし
)
がちやうど
雨上
(
あまあが
)
りだつたから、
堪
(
たま
)
りはしない、
石
(
いし
)
の
上
(
うへ
)
を
辷
(
すべ
)
つて、ずる/\と
川
(
かは
)
へ
落
(
お
)
ちた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
桜 さつぱりした
雨上
(
あまあが
)
りです。
尤
(
もつと
)
も花の
萼
(
がく
)
は赤いなりについてゐますが。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
富士司の御鷹匠は
相本喜左衛門
(
あいもときざえもん
)
と云うものなりしが、其日は上様御自身に富士司を合さんとし給うに、
雨上
(
あまあが
)
りの
畦道
(
あぜみち
)
のことなれば、思わず
御足
(
おんあし
)
もとの狂いしとたん、
御鷹
(
おたか
)
はそれて空中に飛び揚り
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何
(
なん
)
でも
雨上
(
あまあが
)
りの葉柳の
匀
(
にほひ
)
が、
川面
(
かはも
)
を蒸してゐる時だつた。
動物園
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雨
常用漢字
小1
部首:⾬
8画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“雨”で始まる語句
雨
雨戸
雨滴
雨露
雨風
雨漏
雨傘
雨乞
雨垂
雨脚