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遵奉
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じゅんぽう
ふりがな文庫
“
遵奉
(
じゅんぽう
)” の例文
諸大名の家族がその困難な旅を冒してまで、幕府の命令を
遵奉
(
じゅんぽう
)
して、もう一度江戸への道を踏むか、どうかは、見ものであった。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
始めてこれを命名した者の判断と批評とがその群の大部分によって是認せられ、
遵奉
(
じゅんぽう
)
せられたという事実だけは立証している。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
元来わたくしの身には
遵奉
(
じゅんぽう
)
すべき
宗旨
(
しゅうし
)
がなかった。西洋人をして言わしめたら、無神論者とか、リーブル・パンサウールとか称するものであろう。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その間にも、庶民に対して、次々と法令が出、また、武士たちに対しては、特に厳かに「武士たるの道」と「
吏道
(
りどう
)
」を
遵奉
(
じゅんぽう
)
すべき令が発せられた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……ダ……黙り給えというに……君はただ命令を
遵奉
(
じゅんぽう
)
していさえすれあいいのだ。吾輩と同様に内務大臣の指揮命令に従うのが吾々の職務なんだ」
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
遵奉
(
じゅんぽう
)
とか服従とかいうことのたいせつなことはいうまでもないが、ここでは守るべき法も、従うべき
権威
(
けんい
)
もまだできていないのだから、もしそれが必要なら
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
いわゆる法律を能く
遵奉
(
じゅんぽう
)
し、国家という字を
頗
(
すこぶ
)
る
難有
(
ありがた
)
がる国民であるから、法律を以て職業の順序を定めるも宜かろう。しかし県令や告諭ぐらいでは
覚束
(
おぼつか
)
ない。
教育の目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
名探偵ホームズがこの平凡な真理をマキシム〔信条〕として
遵奉
(
じゅんぽう
)
しているのはゆえあるかなといえる。
ホオムズの探偵法
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
第二十五条 国法を
遵奉
(
じゅんぽう
)
するは国民たるものゝ義務なり。単にこれを遵奉するに止まらず、進んで其執行を
幇助
(
ほうじょ
)
し、社会の秩序安寧を維持するの義務あるものとす。
修身要領
(新字旧仮名)
/
福沢諭吉
、
慶應義塾
(著)
本官は今陛下の名をもって殿下にこの不法なる暴行を禁じ、且つ将来殿下の臣民たるべき者に対して法律
遵奉
(
じゅんぽう
)
の模範を殿下自ら御示しあらんことを勧告いたします。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
の聖人の忠実な
下僕
(
しもべ
)
であった。そして彼は、「マルシアス河の悲歌」の作者ユウリビデスを退けたストア学徒の血を
享
(
う
)
けて、悲劇を
嗤
(
わら
)
い、ひたすら神と力を
遵奉
(
じゅんぽう
)
した。
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
永生の蝶などある筈がない。云い出した人間が悪い。方術師とは由来道教の祖述者、虚無
恬淡
(
てんたん
)
を旨とする、老子の哲学を
遵奉
(
じゅんぽう
)
するもので、無慾でなければならない筈だ。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
直助の言葉は完全に命令
遵奉
(
じゅんぽう
)
者の無表情に
還
(
かえ
)
つてゐた。直助は思ひ出したやうにある朝自分の部屋から取つて来て、障子をすこしあけて
希臘
(
ギリシャ
)
神話をかの女に返して行つた。
川
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
Bakunin
(
バクニン
)
,
Kropotkin
(
クロポトキン
)
を紹介したというので、無政府主義者にせられたとしても、読むもの訳するものが、必ずしもその主義を
遵奉
(
じゅんぽう
)
するわけではないから
沈黙の塔
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
しかし事実上彼らはパノラマ的のものをかいて平気でいるところをもって見ると公然と無筋を
標榜
(
ひょうぼう
)
せぬまでも
冥々
(
めいめい
)
のうちにこう云う約束を
遵奉
(
じゅんぽう
)
していると見ても
差支
(
さしつかえ
)
なかろう。
写生文
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わしは非常な変り者で、理解し難い命令を下す様なこともあろうが、それを少しも反問せず、
唯々諾々
(
いいだくだく
)
として
遵奉
(
じゅんぽう
)
するという約束で、その代り給金は世間並の倍額を与えることにした。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
殺したのだ。貴様はアネットが美しいので嫉妬しているんだな。殺しちゃならぬとあのくらいわしが命令したのに、なぜそのとおり
遵奉
(
じゅんぽう
)
しないんだ。女大臣だとて、こうなっては容赦せぬぞ
十八時の音楽浴
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
たとえばわれわれはあらゆる民家に仏壇を造るべき命令の下ったことを知っている。この命令はある程度まで
遵奉
(
じゅんぽう
)
せられたであろう。そこに盛んな需要がある。供給者もまたなくてはならぬ。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
数学を
遵奉
(
じゅんぽう
)
しようと決心して、多くのしらみの中からもっとも無益のやつを選び出し、しかもそいつを殺してから、自分の第一歩にいるだけのものを、かっきり過不足なしに取ろうとしたことだ。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「何故と云って、ゾイリア国民が承知しないのだから、仕方がありません。ゾイリアは昔から共和国ですからな。Vox populi, vox Dei を文字通りに
遵奉
(
じゅんぽう
)
する国ですからな。」
Mensura Zoili
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
(もとより事情により性格により、一村に共同して生活する事に困難を感じる人もあろう。その場合は固き信念の結合によって、組合の一人としてその精神と規定とを
遵奉
(
じゅんぽう
)
してもらえばよいと思う)
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
だが悲しむべきことには、「千歳の後に事無からむと欲」された念願は、後代の群臣によって必ずしも
遵奉
(
じゅんぽう
)
されなかった。天武天皇崩御されし直後、皇后が政治を執られていた間に再び悲劇は起った。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
露骨に
遵奉
(
じゅんぽう
)
している手つきが腹も立たないで、いよいよお愛嬌だ。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかしそうした偽りの年号が、いかにしてこのように
弘
(
ひろ
)
く、一般に
遵奉
(
じゅんぽう
)
せられることになったかというと、ただ乱世の交通不便だけでは説明がつかない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
またこの宗教の旨をそのままに
遵奉
(
じゅんぽう
)
すれば、とかく
柔弱
(
にゅうじゃく
)
に流れ、かえって開祖の主旨に反する
虞
(
おそれ
)
もある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
とにかく道は自己の
行
(
ゆ
)
く為めに、自己の開く道である。倫理は自己の
遵奉
(
じゅんぽう
)
する為めに、自己の構成する倫理である。宗教は自己の信仰する為めに、自己の建立する宗教である。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「誤解や早合点は慎しむがいいぞ。職務のために行って居られるのだ。手紙を渡したら何か挨拶があろう。後は総監の命令を
遵奉
(
じゅんぽう
)
して行動すること。分ったかネ。余り役人風を吹かせるんじゃないよ」
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
僕とは一体何だろう。自己の意志(Free-Will)を持たないもの、換言すれば主君の命令を絶対に
遵奉
(
じゅんぽう
)
すべきものこれである、右せよ、
諾
(
はい
)
。左向け、
諾
(
はい
)
。
僕
(
しもべ
)
の理想はこれだ。
イエスキリストの友誼
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
みんな
手応
(
てごたえ
)
のあるものを向うに見ているから、崇拝も出来れば、
遵奉
(
じゅんぽう
)
も出来るのだ。
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
これに反して吾々の祖先は、
夙
(
はや
)
くから好字を用いよ
嘉名
(
かめい
)
を附けよという勅令を
遵奉
(
じゅんぽう
)
して、二字
繋
(
つな
)
がった漢字、仮名で数えても三音節、ないし五六音節までの地名を附けねばならなかった。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
保は
此
(
かく
)
の如くに
思惟
(
しゆい
)
して、校長、教師に敬意を表せず、校則、課業を
遵奉
(
じゅんぽう
)
することをも怠り、早晩退学処分の我
頭上
(
とうじょう
)
に落ち
来
(
きた
)
らんことを期していた。校長
諸葛信澄
(
もろくずのぶずみ
)
の家に
刺
(
し
)
を通ぜない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
神歌が古来の神がかりの方式を
遵奉
(
じゅんぽう
)
して、厳格なる
対句
(
ついく
)
駢頭
(
へいとう
)
の表現を守っていなかったら、今頃は或いはニルヤと儀来とは、全く別の世界というような解説が生まれていたかもしれない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
近来
亜米利加
(
アメリカ
)
の教育法はどうであるか。亜米利加は何のために大いに普通教育を盛んにしているかというと、即ち良国民を
拵
(
こしら
)
えることがその目的である、能く国法を
遵奉
(
じゅんぽう
)
する国民を造るのである。
教育の目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
“遵奉”の意味
《名詞》
法令や教義などを遵守し従うこと。
(出典:Wiktionary)
遵
常用漢字
中学
部首:⾡
15画
奉
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
“遵奉”で始まる語句
遵奉者