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みまは
宗助は
何處へ
行つて、
宜道のゐる
所を
教へて
貰はうかと
考へながら、
誰も
通らない
路の
眞中に
立つて
四方を
見回した。
禿げた
頭のきさくから
他の畑を
見回る。
宗助は
一應室の
内を
見回して、
此親子の
外に、まだ
一人妙な
男が、
一番入口に
近い
所に
畏まつてゐるのを
見出した。
二人は
小聲で
話しながら、
大きな
部屋にぎつしり
詰つた
人の
頭を
見回した。
其頭のうちで、
高座に
近い
前の
方は、
烟草の
烟で
霞んでゐる
樣にぼんやり
見えた。
奥さんが
坐敷の
真中へ
立つて、
茫然、
斯う
周囲を
見回してゐた
様子つたら、——随分
可笑なもんでした
兄は
日暮とすれ/\に
来た。大変
遅かつたぢやありませんかと云つた時、帯の
間から、金時計を
出して見せた。実際六時少し
回つた許であつた。
兄は例の如く、平気な
顔をして、方々
見回してゐた。