見回みまは)” の例文
宗助そうすけ何處どこつて、宜道ぎだうのゐるところをしへてもらはうかとかんがへながら、だれとほらないみち眞中まんなかつて四方しはう見回みまはした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
禿げたあたまのきさくからよその畑を見回みまはる。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
宗助そうすけ一應いちおうへやうち見回みまはして、この親子おやこほかに、まだ一人ひとりめうをとこが、一番いちばん入口いりぐちちかところかしこまつてゐるのを見出みいだした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
二人ふたり小聲こごゑはなしながら、おほきな部屋へやにぎつしりつまつたひとあたま見回みまはした。そのあたまのうちで、高座かうざちかまへはうは、烟草たばこけむりかすんでゐるやうにぼんやりえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おくさんが坐敷ざしき真中まんなかつて、茫然ぼんやり周囲まはり見回みまはしてゐた様子やうすつたら、——随分可笑おかしなもんでした
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あに日暮ひくれとすれ/\にた。大変おそかつたぢやありませんかと云つた時、帯のあひだから、金時計をして見せた。実際六時少しまはつた許であつた。あには例の如く、平気なかほをして、方々見回みまはしてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)