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はくさい
ふりがな文庫
“
舶載
(
はくさい
)” の例文
そのうちに
砂糖黍
(
さとうきび
)
を
舶載
(
はくさい
)
して、暖地に移植してみたらと考えていますが、
莨
(
たばこ
)
と同様これも国内に拡まっていいものか悪いものか、考えさせられます
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これに全国
倶通
(
ぐつう
)
の名を生ずるに至らなかったと解して置いて、
舶載
(
はくさい
)
の証跡の後日出て来るのを待つより他はあるまい。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この春、
舶載
(
はくさい
)
したばかりの洋麻の
蕃拉布
(
ハンドカチフ
)
を、競うようにひとり残らず首へ巻きつけ、襦袢の襟の下から、うす黄色い布色をチラチラとのぞかせている。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
和漢三才図会
(
わかんさんさいづゑ
)
によれば、南蛮
紅毛
(
こうもう
)
の
甲比丹
(
かびたん
)
がまづ日本に
舶載
(
はくさい
)
したるも、このシガレツトなりしものの如し。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「日本霊異記」の「女人悪鬼見
レ
点被
二
食噉
一
縁」等を典拠とし、さらに中国から
舶載
(
はくさい
)
された「
五雑組
(
ござっそ
)
」、わが国近世の「本朝神社考」にみえる吉備津神社の御釜祓いの神事
雨月物語:04 解説
(新字新仮名)
/
鵜月洋
(著)
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「日本霊異記」の「女人悪鬼見
レ
点被
二
食噉
一
縁」等を典拠とし、さらに中国から
舶載
(
はくさい
)
された「
五雑組
(
ござっそ
)
」、わが国近世の「本朝神社考」にみえる吉備津神社の御釜祓いの神事
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
人生上芸術上、ともに一種の因果によって、西洋に発展した歴史の断面を、輪廓にして
舶載
(
はくさい
)
した品物である。吾人がこの輪廓の中味を
充牣
(
じゅうじん
)
するために生きているのでない事は
明
(
あきら
)
かである。
イズムの功過
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
数年以来ポトアシクソルフェート(すなわち硫酸剥篤亜斯)、ポトアシクヨテェート(すなわち沃酸剥篤亜斯)、ソヂクカルボナァート(すなわち炭酸
曹達
(
ソーダ
)
)等の名称をもって
舶載
(
はくさい
)
する化学薬品あり。
化学改革の大略
(新字新仮名)
/
清水卯三郎
(著)
凝
(
こ
)
らし中には
骨董品
(
こっとうひん
)
などもあって今日でも百円二百円五百円などと云う高価なのが
珍
(
めずら
)
しくない天鼓の飼桶には支那から
舶載
(
はくさい
)
したという
逸品
(
いっぴん
)
が
篏
(
は
)
まっていた骨は紫檀で作られ
腰
(
こし
)
に
琅玕
(
ろうかん
)
の
翡翠
(
ひすい
)
の板が入れてありそれへ
細々
(
こまごま
)
と山水
楼閣
(
ろうかく
)
の
彫
(
ほ
)
りがしてあった
誠
(
まこと
)
に
高雅
(
こうが
)
なものであった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
舶載
(
はくさい
)
のエレキテルだの、そうかと思うと、薬を
刻
(
きざ
)
む
薬研
(
やげん
)
が見えるし、机の上には
下手
(
へた
)
な
蘭字
(
らんじ
)
が書きかけてあり、異人墓の石のかけらがその
文鎮
(
ぶんちん
)
になっている。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
内容は正しく固有のものであっても、称呼はそれぞれの入用の時を
以
(
もつ
)
て始まり、それが一処一人の制定に基づかぬという点は、近世
舶載
(
はくさい
)
の商品なども異なる所はないはずである。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
商人
(
あきんど
)
でもこの辺は、中以上のところとみえる。
舶載
(
はくさい
)
の
毛氈
(
もうせん
)
をひろく敷きこんで、一階級を示しているのだ。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わけても
袖無
(
そでなし
)
羽織は、
舶載
(
はくさい
)
の織物らしく、豪華な模様に
金襴
(
きんらん
)
の裾べりを縫い、裏には羽二重をつけ、
紐
(
ひも
)
にまで細かい気をつけて、
葡萄染
(
ぶどうぞ
)
めの
革
(
かわ
)
がつかってある。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
客院用の酒壺はもちろん
庫裡
(
くり
)
に充ちていよう。高時もかつての春には、ここの山門で小袖幕を張らせ、
舶載
(
はくさい
)
の
毛氈
(
もうせん
)
をのべて、花見の宴に遊び暮らしたこともある。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あすの夜、あらためて、また登城されるがよい。この安土へ
蒐
(
あつ
)
めた
舶載
(
はくさい
)
の品々、
悉
(
ことごと
)
く展じて見せよう」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
皺苦茶
(
しわくちゃ
)
な紙でも、のばして使った。
舶載
(
はくさい
)
の
唐紙
(
とうし
)
一枚にめぐり会う時は、それへ筆を落すことを、恋人と
契
(
ちぎ
)
るように昂奮して、彼等は、詩を書いている、
画
(
え
)
を描いている。
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の書斎をながめても、そこには和漢の書籍から、鎌倉期の絵巻だの、
舶載
(
はくさい
)
の古法帖だの、そのうちの一つを繰りひろげても、思わず一日は暮れてしまうものが沢山ある。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「楮幣にかぎる、物と物との交易も相ならず、というんだそうだよ。——市でも近ごろ見なくなった
舶載
(
はくさい
)
の上茶だの、糸、朱粉、薬種、香料、
唐織
(
からおり
)
、欲しい物だらけだというんだが」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ははあ」これも唐から
舶載
(
はくさい
)
してきたものにちがいないと範綱は
器
(
うつわ
)
を手にとって
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
舶載
(
はくさい
)
の物産や、諸国の織物、工芸品、会主鳩渓の出品になる珍しい
火浣布
(
かかんぷ
)
とか、エレキテルの機械とかをよいほどに見流してきた、黒羽織黒小袖という目立たない服装をした一人の武士が
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ちょっと、面白いな。だが
舶載
(
はくさい
)
の化粧油が江戸にないとは言いきれん」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……信長公が、至極、そこのところを不即不離に、包容なさるものだから、南蛮の島々、奥南蛮の大国、西欧の諸辺から、種々な物を
舶載
(
はくさい
)
してくる。だがゼビエーは本国へ書簡をもって云っている。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いにしえ、
道真公
(
みちざねこう
)
が、
和魂漢才
(
わこんかんさい
)
と
唱
(
とな
)
えて、時人の
弊風
(
へいふう
)
と、
遣唐使
(
けんとうし
)
の制を
戒
(
いまし
)
めたことがあるが、唐風の移入も、西欧の
舶載
(
はくさい
)
も、春なれば春風の訪れ、秋なれば秋風の
湿
(
しめ
)
り、この国の梅や桜の色は変らぬ。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「近ごろ、仏書と共に、わずかばかり手に入れたので、試みておるが、なかなか捨てがたい風味がある。聞けば、茶の木の
胚子
(
たね
)
は、
夙
(
はや
)
くから
舶載
(
はくさい
)
されて、日本にも来ているそうな。どんな花か、花が見たいと思う……」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
舶
常用漢字
中学
部首:⾈
11画
載
常用漢字
中学
部首:⾞
13画
“舶載”で始まる語句
舶載物
舶載地
舶載油
舶載織