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罷出
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まかりい
ふりがな文庫
“
罷出
(
まかりい
)” の例文
有難き仕合、当日
罷出
(
まかりい
)
で、御芳情御礼申上ぐるでござろう、と挨拶せねばならなかった。余り御礼など申上度いことは無かったろう。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
忠實
(
まめやか
)
に
事
(
つか
)
へたる
何某
(
なにがし
)
とかやいへりし
近侍
(
きんじ
)
の
武士
(
ぶし
)
、
君
(
きみ
)
を
思
(
おも
)
ふことの
切
(
せつ
)
なるより、
御身
(
おんみ
)
の
健康
(
けんかう
)
を
憂慮
(
きづか
)
ひて、
一時
(
あるとき
)
御前
(
ごぜん
)
に
罷出
(
まかりい
)
で
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
觸
(
ふれ
)
ぬ此度は相摸守殿には
玄關
(
げんくわん
)
式臺迄
(
しきだいまで
)
御見送
(
おんみおく
)
り町奉行は下座敷へ
罷出
(
まかりい
)
で
表門
(
おもてもん
)
を一文字に
推開
(
おしひら
)
けば天一坊は
悠然
(
いうぜん
)
と乘物の
儘
(
まゝ
)
門
(
もん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
上冊には
桟敷後
(
さじきうしろ
)
の廊下より御殿女中大勢居並びたる桟敷を見せ
市川八百蔵
(
いちかわやおぞう
)
桐
(
きり
)
の
谷
(
や
)
門蔵
(
もんぞう
)
御挨拶
(
ごあいさつ
)
に
罷出
(
まかりい
)
でお盃を
頂戴
(
ちょうだい
)
する処今の世にはなき
習慣
(
ならわし
)
なれば興いと深し。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
泰勝院殿
(
たいしょういんでん
)
の
御代
(
おんだい
)
に、
蒲生
(
がもう
)
殿申され
候
(
そろ
)
は、細川家には結構なる御道具あまた
有之
(
これある
)
由
(
よし
)
なれば拝見に
罷出
(
まかりい
)
ずべしとの事なり、さて約束せられし当日に相成り、蒲生殿参られ
候
(
そろ
)
に
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
罷出
(
まかりい
)
でたる者は、東国方の者でござる。この度思ひ立ち、都へ上り、ここかしこをも見物致し、又よささうな所があらば、奉公をも致さうと存ずる。まづ、そろそろと参らう。
かげろふ談義:――菱山修三へ――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
唯今ではお目見得
已上
(
いじょう
)
と申しても、お通り掛けお目見えで、拙者
方
(
かた
)
では尊顔を見上ぐる事も出来ませんから、折々お側へ
罷出
(
まかりい
)
でお目通りをし尊顔を見覚えるように相成りたいで
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「私が、お召しに依って
罷出
(
まかりい
)
でました正木で……
生憎
(
あいにく
)
名刺を持ちませんが……」
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その挨拶に本社の監督が
罷出
(
まかりい
)
でたのである。
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
暫
(
しばら
)
くお待ち下さい、其のお
腹立
(
はらだち
)
は
重々
(
じゅう/″\
)
御尤
(
ごもっとも
)
でございますが、お嬢様が
私
(
わたくし
)
を引きずり込み不義を遊ばしたのではなく、手前が此の二月始めて
罷出
(
まかりい
)
でまして、お嬢様を
唆
(
そゝの
)
かしたので
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おや、
風説
(
うわさ
)
をすれば、三太夫、
罷出
(
まかりい
)
でて、「はッ番町の
姫様
(
ひいさま
)
、
御入来
(
おんいり
)
にござりまする。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
幇間
(
ほうかん
)
なかまは、大尽客を、
獅子
(
しし
)
に
擬
(
なぞら
)
え、黒牡丹と題して、金の角の縫いぐるみの牛になって、大広間へ
罷出
(
まかりい
)
で、馬には狐だから、牛に狸が乗った、
滑稽
(
おどけ
)
の
果
(
はて
)
は、縫ぐるみを崩すと
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此の事早くも御領主様へ聞えましたから太左衞門
罷出
(
まかりい
)
でて、立派な申開きが相立ち、原丹治
父子
(
おやこ
)
の悪事、おかめの不届の次第が分りましたが、鹽原の
家
(
いえ
)
は焼失致し、それなりに済みまして
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
故
(
わざ
)
と、使者
差立
(
さした
)
てるまでもない。ぢやが、大納言の卿に、将軍家よりの
御進物
(
ごしんもつ
)
。よつて、九州へ帰国の諸侯が、
途次
(
みちすがら
)
の使者兼帯、其の
武士
(
さむらい
)
が、都鳥の
宰領
(
さいりょう
)
として、
罷出
(
まかりい
)
でて、東海道を
上
(
のぼ
)
つて行く。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何分にも
御前体
(
ごぜんてい
)
へ
罷出
(
まかりい
)
でましたら
却
(
かえ
)
って御無礼の義を……
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
園「はっ、
罷出
(
まかりい
)
でました」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
罷
常用漢字
中学
部首:⽹
15画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“罷出”で始まる語句
罷出時